内容が内容なので評価はしません。とてもリアリティがあって感情が揺さぶられました。何気なくテレビでやってるのを見ましたが、目が離せなかった。映画としてはとても良く出来ていると思います。
管制塔、軍本部、ユナイテッド93便を舞台に当時の状況が緊迫感をもって描かれている。混乱ぶりとか情報が次々に入ってくる感じとか、何だろう、何だかよく分からないまま最悪な事態が立て続けに起こってしまう感じが凄く伝わってきた。この映画のメッセージの１つに、軍の対応のずさんさもあるんだけど、その伝え方も上手かった。一番伝えたいのはユナイテッド93便の乗客の人達だから、ほどほどに抑えつつ、管制塔の把握してる情報が全く軍に伝わらない状況がとても分かりやすかった。
そしてユナイテッド93便の乗客のことは元々知ってたけど改めて敬意を抱いた。
僕は映画は娯楽作品であって、リアリティを追求しただけの暗い映画は単にドキュメンタリーにした方が良いと思う派だから、本来こうゆう映画は意義があまりないと思っていた。例えば貧困家族を描いた「家族を想う時」とか、ああゆう映画です。
でもこの映画にはとても社会的意義があると思いました。既に亡くなってしまっている人達、そして当時の記録が部分的にしか残っていない出来事を、素晴らしい役者と撮影陣で再現する事には、事件を風化させず、当時の人々を悼む意義があると気付きました。そうゆう意味では最後の墜落するシーンも最後の最後まで描いてることは、目を背けたくなりつつも、とても意味があることだと思います。そうゆう決断をした監督に敬意を送りたいです。
9.11は現代史の観点からも、ただのテロとは一線を画する出来事なので、興味があるならこの映画を観ることをオススメします。
