キャサリン子

黄昏のキャサリン子のレビュー・感想・評価

黄昏(1981年製作の映画)
5.0
緑豊かな湖畔の別荘で夏の休暇を過ごすノーマン(ヘンリー・フォンダ)とエセル(キャサリン・ヘプバーン)。
そこへ、ノーマンの80歳の誕生日を祝うため、疎遠になっていた娘のチェルシー(ジェーン・フォンダ)が恋人のビルとその連れ子の少年ビリーを連れて訪ねてくる。
老境にさしかかった男とその娘の、親子の交流をあたたかく描いた家族愛のドラマ。



「美しい」の一言に尽きます。
なんて美しくて優しい物語なのでしょう。

湖畔の黄昏時の焼けるようなオレンジ、
ニューイングランドの風景、
デイヴ・グルーシンの音楽…
それらが作品の世界観を見事に創り出していて、序盤から心奪われました。


ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダ親子は、実際に長年の確執があり不仲だったとか。
撮影現場でも本作同様、キャサリン・ヘプバーンが二人の仲を取り持つようなことをされていたようです。
この作品でヘンリー・フォンダ、キャサリン・ヘプバーンは共にオスカーを受賞されていますが(なんと!キャサリン・ヘプバーンは史上最多の4度目!!)、本当に素晴らしい演技でした。
二人のやり取りが微笑ましく、又、後半では胸が締め付けられ涙が流れました。


人生の黄昏時を迎えた老夫婦。
物忘れが進行していく不安や、迫る死への恐怖。
そして、愛する人がそばにいることの幸せ。

わたしも、人生の最後には心から愛し合える人と寄り添いたい。



大切な人と、観て欲しい作品です。
キャサリン子

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