黄昏の作品情報・感想・評価

「黄昏」に投稿された感想・評価

‪別荘に住む老夫婦ノーマン・エセルとその娘夫婦の交流を描いた物語。‬
80歳のノーマンは、既に記憶を失いかけ、心臓も悪く、おまけに毒舌が非常に回る。妻のエセルはそんなノーマンに対し冗談を言いながら明るく接するが、‪ノーマンと元々確執があった娘、その夫‬や子供とはなかなか反り合わない。その後、娘夫婦はハネムーンに行くため子供を別荘に置いて出て行く。子供も最初はひねくれてたが、ノーマンと釣りをしに行くことで心を通い合わせることができた。ただ、ノーマンは、死への階段をどんどん上っていくのだった…
老いることで死に近づくことは誰が経験せざるを得ないことだ。毒舌ばかりの主人公にも、やはり死はこわいのだ。この映画では、その感情や、それでも人生を楽しもうという気持ちが、湖畔に映る夕日や田舎の懐かしい風景と共に描かれていたので非常にいい映画体験をできたと思う。
穿った見方すると娘ジェーンが父ヘンリー・フォンダに母親の分も含めた積年の恨みを晴らした映画とも言えるのでは。寿命を縮めたというだけでなく、お膳立てしたのはジェーンで悲願のオスカー像は娘のお陰とした方が優位に立てるわけで。ただね、ヘンリーのそんな娘の思惑や諸々を全部引き入れたような豪腕の演技には震えるしかないんだな。ジェーンもそこ認めざるをえなくて、それこそが本来のテーマ〈和解、赦し〉ってやつじゃないのかなぁ。名作だよな。
またまたキャサリン・ヘプバーン。年老いても魅力が衰えませんね。むしろ性格に丸みが出て来て、可愛くなっていくぐらいの印象がある、元はキツそうな女性ですからね(笑)
ジェーン・フォンダが父ヘンリー・フォンダにアカデミー主演男優賞を取らせたいがために、キャサリン・ヘプバーンに出演を懇請したという逸話は事前に知っていた。作中で描かれるような父と娘の確執が現実にもあった、というのは試聴後に知った。
きらめくような黄金の池、畔に建った別荘に今年もヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーンの老夫婦がやってくる。ヘンリー・フォンダは毒舌で攻撃的だが妻にだけは優しい。依存しているといっても良い。老いが彼に迫り、衰えは夫婦に影を落とす。娘のジェーン・フォンダが新しい恋人を伴い訪ねてくる。娘はなぜか父をファーストネームで呼ぶ、父を憎むが愛して貰いたいと思っている。娘と恋人は欧州に旅立ち、義理の息子を老夫婦に預ける。
この十三歳の少年の存在が、老人に良い影響を与える。マス釣りを教え、湖のヌシを釣ろうとする。悪魔の湾と呼ばれる暗礁に乗り込んでいく。岩だらけの湾は人生の象徴のようだ。老人と少年はなんとかそれを乗り切る。輝くような若さと黄昏のような老いの対比。
娘が少年を連れに戻ってくる。ジェーン・フォンダは父を非難するのではなく、その頑なさをむしろ母に非難される娘役を演じる。父は娘を愛しているけど、うまく言葉に出来ないだけ、と。多分、娘はとっくにそんなことを分かっていた。そして、ジェーン・フォンダ本人も。娘は父親にダイビングの銀メダルを譲られる。『ダンガル』では金メダルにこだわっていたけれど、こういう銀メダルも良いものだ。人生は勝っても負けても素晴らしい。
恐らく高校時代に大毎地下劇場で見た・・・はず
内容、全く記憶無し
Ricola

Ricolaの感想・評価

3.7
田舎の湖畔の別荘を舞台に人生の黄昏を迎えた老夫婦と、娘、そして娘の結婚相手の連れ子との交流を描いた物語。


父娘役のヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダが親子で、実際にも確執があったというのが驚き。

だからか、その2人のやりとりがリアルで、こっちまで気まずくなるほど笑

ヘンリー・フォンダ演じる頑固親父をキャサリン・ヘップバーン演じるその妻があしらう感じが面白かった。

ヘップバーンの、森の中で口ずさみながら踊っているシーンが何気に好き。

あと湖畔や森などの自然が美しくて癒された…。

ストーリーとしてはそこまでか?と思ってしまったけれど、この映画は俳優の良さを見せつける映画だから別にいいのかもしれない。
雪ん子

雪ん子の感想・評価

4.2
キャサリンヘプバーンが素敵。
子供の頃、21時にテレビで淀川長治さんの解説で見て、あまりに大人な内容でよく分からずにいた。大人になり繰り返し見ている大好きな映画。ジェーンフォンダとヘンリーフォンダは実の親子だけど確執があり、撮影当時も確執があり映画を通じて和解したと解説で聞いて作品を見ると、お互いのセリフ回しなんかドキドキして見た。
親にとって子どもはずっと子どもで何があっても愛される存在だと思う。
moco67

moco67の感想・評価

4.0
親とともに観た作品。まさか「産まれた時に祖父は戦地にいて、結局一度も顔を見ることなく戦死し、名前だけ付けてもらったのよね。だから父とは何かをあまり考えて来なかった」と常々話していた親と観る内容としては当時かなり不思議な感覚を持った。年を経て、本作がいろいろ効いてきた。作品より、観た時の思い出語りが多くてすみませんね。
若いころ憧れた。こんな夫婦になりたいと。

偏屈な80歳のお祖父さんノーマンは、周りと良い関係が作れない変わり者。

そんなノーマンの善き理解者は、いつも寄り添ってくれる妻エセル(キャサリン・ヘップバーン)。

その存在は大きく、老いに抗いより頑固になるノーマンの代弁者。

ある日ノーマンに怒鳴られて傷ついた少年にエセルは語った。


「彼が怒鳴った相手はね、人生になの。

 彼は老いたライオンのようにずっと  
 吼えていたいのよ
 
 うわべを見ただけで人は理解できないわ

 彼も精一杯 生きてるの

 ままならぬ人生をね

 あなたと同じでしょ」



ノーマンとエセル。こんな夫婦が理想なのです。
演出が稚拙で心配になるシーンは多々ありましたが、それ以上に役者の演技が素晴らしかったので問題なし。
父と娘の関係性はもう少し丁寧に描けたのでは。
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