黄昏の作品情報・感想・評価

「黄昏」に投稿された感想・評価

ちろる

ちろるの感想・評価

3.9
ヘンリー・フォンダandキャサリン・ヘップバーン主役2人が共にアカデミー賞を受賞した本作
人生も終盤となったら老夫婦は湖畔の小さな家を建てて暮らしている。
歳をとって偏屈になっと夫ノーマン(ヘンリー・フォンダ)と、それを明るく支えるエセル(キャサリン・ヘップバーン)。
老いの恐怖に脅かされて朗らかでいられないノーマンと、卑屈な言葉を優しい言葉で制すエセル、このエセルを演じたキャサリン・ヘップバーンの演技がとにかく素晴らしいが、注目するべきなのは、実の親子関係で共演した、ヘンリー・フォンダとジェーン・フォンダの生々しいやりとり。
このストーリーでも娘のチェルシーは、父親ノーマンと長年分かり合えることなく、BFとその息子を連れてやってきたが、このノーマンとチェルシーのぎこちないやりとりがそのまま実生活でも不仲だったとされる2人の関係性を思い起こさせる。
目を合わせないで話す会話するシーン
チェルシーが、エセルにノーマンへの不満をぶちまけるシーンは、
演技なのかそうじゃないのか分からないその微妙さが物語にはまって適度な緊張感を生み出して、ラストはほろり。
奇しくもこれがヘンリーのラストの作品となるのだが、ある意味相応しい。
ぎこちない親子の再生に、義理の孫とノーマンのベタな交流シーンを使うのはずるいと思いつつもじーさん&生意気BOYの組み合わせは大好きなので、始終穏やかな気持ちで鑑賞することが出来た。
『死』について意識せずにはいられない80代に差し掛かる時、無駄のものは削ぎ落とされ、人は本当に大切なものが見えてくる。
深い愛に包まれたこのエセルとノーマンの老夫婦を見ていると、自分もこうありたいと思い少し旦那に優しくしたくなりました。
NJ1138

NJ1138の感想・評価

3.5
ヘンリー・フォンダの偏屈爺さんと愛嬌爺さん、どちらも楽しめます。
なぎこ

なぎこの感想・評価

4.2
湖が美しく、老夫婦の物語が秀逸。

共に歩むという事を考えさせてくれた映画。
U-Nextで鑑賞。内容もさることながら本作が制作された意図、経緯を知れば感動せざるを得ません。
若い頃父を憎んだこともあった娘が、父の死期が近いと知り、名優と言われながらオスカー無冠であった父のために立ち上がる。
映画化権を買い取り、父の相手役は大女優のあの人しかいない、とキャサリン・ヘップバーンにオファー。その大女優は同時期に活躍しながら共演したことがなかったヘンリー・フォンダのために出演を快諾、完璧な演技を見せる。(彼女は最愛の人スペンサー・トレーシーが愛用していた帽子をヘンリー・フォンダに贈り、彼は劇中その帽子をかぶっていました。いい話ですネ。)
そして当然のように父は念願の主演男優賞を獲得する。

ジェーン・フォンダは映画人としてこの上ない親孝行ができました。

マイケル・ダグラスにも同じ親孝行をしてほしかったなあ、やっぱり息子はだめだな、娘じゃないと、と息子である筆者はつくづく思います。

本作で唯一気になったのはジェーン・フォンダの暑苦しいヘアスタイル。当時の流行だったのですかね。せっかく鍛えられたプロポーションを披露してくれているのに。
RyukiW

RyukiWの感想・評価

4.2

このレビューはネタバレを含みます

大きなテーマとしては3つ

何気ない日常に溢れる愛の美しさ
死への恐怖は老いても拭えない、生を輝かせるしかない
家族だからこそ、近いからこそ遠くなる難しかさ

まず、淡々と一般家庭にありふれた光景を描いている映画だが
その中でちょっとしたシーン、セリフ、仲直りのシーンや、登場人物同士の気づきなど全てが、よく考えればとても尊い。
そんな派手ではないが胸に染み渡る美しさに溢れている。
本当に美しい愛は日常に密かに存在することを教えてくれる


死に関しては、死に一番近いノーマンが度々偏屈になり、人生に対して怒っているとされるシーンがある
心はまだ若いつもり。誰より自分が老いていることを認められていないが無理やり納得させるため卑屈になり毒舌を吐く。
まだこんなにも美しい世界で素晴らしい妻、愛する娘がいるのに死んでしまう不条理。歳を取っても満たされているからこそ拭えない恐怖感。

しかし、どうあがいても抗えないのが寿命。それならば残りの生を輝かせるしかない。勇気を出して新しいことをしてみるとか、娘と仲直りするとか、夫婦同士いっそう愛を深めるとか
そうやって少しずつやり残して後悔しそうなことを、なくしていくしかない


そして家族という難しさ
父と娘の不仲が描かれる。
不仲と言っても完全な不仲ではなくどこか素直になれない。
チェルシーの言う、普通になれない関係。
これに関しては悶々としながらも放置してしまってる家族が多いはずだ。
素直に愛してる、ありがとう、などの感情をダイレクトに伝えるのは他人には簡単だが近くなればなるほど難しくなる
それが親だとするとより一層。
そんな難しい家族という関係だが
ビリーという他人が挟まることで、ノーマンとチェルシーは何かが変わったのだろう
勇気を出して一歩歩み寄ったことは、大きな成長だった。
崩壊しているなら別だが、歩み寄れるところまで、やれるところまでやってみて絆を深めていくことは大切だろう。家族なのだから。


忘備録。
JUN

JUNの感想・評価

-
朝から泣いた。良すぎる。ストーリーはありがちだけど結局良い。
こんなん見てたら理想像ばっか膨らんで結婚出来ないです。
よし

よしの感想・評価

4.5
僕は未だかつてこれほどまでに愛しい映画を知らない、思わずそう言いたくなるような作品。ヘンリー・フォンダとキャサリン・ヘプバーン名優二人の人生経験が滲み出た名演技、娘ジェーン・フォンダから父ヘンリー・フォンダへの手を差し伸べるような歩み寄り、そしてヘンリー・フォンダの奇しくも最後となったスクリーンに刻まれた姿。映画の魔法という表現をよく使うけど本作は毎秒毎フレームがまるで魔法、こんなにも有意義で本当に価値のある作品はそうそうあるものではない。心掴まれ色づく。これは起こるべくして起こった傑作。
ノーマンはノーマン。皮肉屋の毒舌でついつい憎まれ口を叩いては喧嘩っ早く相手を言い負かすキャラクターが際立っている。長年歪み合ってきた父と娘の確執を扱った作品を実生活にも置き換えて、人生最後の季節を温かく優しく彩り豊かに切り取ってみせた。音楽の使い方が幾らか情緒的に煽りすぎな気もしたけど家族観、死生観、様々な要素が深い洞察と思わずノスタルジーな気分に浸ってしまうような作品を包む空気・雰囲気と共に自然な形でそこにある。そしてまた子を送り出し、夫婦は二人で最後の時を過ごす。ここに理想の夫婦の形を見た、こんな風に誰かと歳を重ねられたらな。愛しすぎる、素敵すぎる、抗えないかけがえのない時間。自然と頬は綻び、笑みがこぼれ、涙腺は緩む。原題の意図を汲み取るようにシンプルな邦題も秀逸。

ノーマンが直す「ここでは子供なの」Bullshit! いい言葉だ「人生に怒鳴ったの。上辺を見ただけで人は理解できないわ。ノーマンは精一杯生きてる、ままならぬ人生を」Are you afraid of dying? 「友達になって」大学飛び込み大会2位のメダル「アビがあいつに来た」つがいだけ
イシ

イシの感想・評価

3.9
「いい映画やったな」って素直に言える感じの映画。
ちょっとひねくれたおじいちゃんと、明るくてかわいいおばあちゃんと、おじいちゃんに似て素直になれない娘。その娘と家族になろうとする、イイやつなおにいちゃんとその息子。

綺麗な風景の中で、みんなの心がちょっとずつ近づいてくのがすごくよかった。

大好きなキャサリン・ヘプバーンが可愛いおばあちゃん。
いつもみたいにものすごいレベチな演技で、でも見てると、自然にこっちまで元気になる。
生涯ずっと太陽みたいな女優さん。だいすき。
どこの国でも娘の父親に対する反感は裏を介せば愛情表現なんだなと。人生の最終段階に入った老夫婦の日常と確執がある父親と娘の和解を美しい湖畔の風景をバックに描いていく話。老夫婦のかなりブラックな冗談がなんとも痛快。自然を装いつつも家族間の蟠りに最善の注意を払う緊張感を見事に演じきってる主要キャストに驚愕した(実際の親子というのが功を奏した)。後腐れのない人生の幕引きというか、こうゆう最期は憧れる。爽やかな気分に浸れる秀作。
Haruki

Harukiの感想・評価

4.9
玄冬を迎えた老夫婦を中心に、人と人との繋がりを温かく、リアリティをもって描いている。

気難しい登場人物たちが、奥底に持っている愛情を共有し合い、噛み合っていく様は感動的。

老夫婦の軽妙なやりとりが楽しい。

俳優陣の演技、特にキャサリン・ヘップバーンが素晴らしい。
チャーミングで愛情溢れる、深みのある女性を演じている。
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