佳児

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTの佳児のネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

シリーズの中で愚作、駄作と名高いがシリーズの一貫として意味をなしてくるのは、この映画が公開されて何年もあとになるから仕方ない。
ただ、シリーズの新たな基軸となるキー作品という意味では少しインパクトに欠けるかもしれない。
でも★5つをつけたいのは、主人公とライバル、そしてライバルに寄り添うように(しかし簡単に裏切る)ハンの存在が大きい。

主人公は思考は子供だが大人へと進もうとし、ライバルは大人の世界の中で子供のように足掻き、ハンは二人の間で「目を覆うような」ほどに汚い大人像として描かれている。ハンの行動の理由は何となく後のエピソードで分かるが、今作のみを見れば「大人のあざとさ」「都合の良さ」「残酷さ」が見て取れる。飄々としたキャラクターの中に眠る冷酷さにふとした事で触れてしまう主人公も、器用に大人と子供の顔を混ぜ合わせて乗り越えていく姿は立派な「成長」物語だと思う。

この作品を駄作と言い切らず、シリーズの基軸としても見ずに、一つの独立したものとして見ると評価も変わるのでないかと思う。
佳児

佳児