あにお

ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFTのあにおのレビュー・感想・評価

3.5
TOKYOと冠しているが日本ではないどこか遠いファンタジーの国の物語。それが受け入れられるかどうかでこの映画への評価は大きく変わってくる。
まず主人公が高校生?の設定?いやいや無理ありすぎでしょ。なんでこの人選んだ?この人ありきならなんで高校生の設定にした?オッサンにしか見えん…。ルーカス・ブラックこのとき24歳くらい。『BTTF』のときのマイケル・J・フォックスも24歳くらい。そう考えるとなんだか感慨深い。
英語が流暢な日本人?役、タカシとモリモトの日本語セリフだけが一部吹き替えになっているが(DVD版英語音声。他は知らん)、声質はおろか音の空間的な響きも何もかも違和感ありまくりで、そこだけ吹き替えであることを隠す気もない有り様。こんな半端なもの世に出していいとでも思ってるの?バカなの?死ぬの?こんなだったらカタコトの日本語しゃべらせといた方が100億倍マシ(ただしその部分も日本語字幕は付けてね)。まともな演技ができる日本人俳優がいないから日本人役でも日系人俳優や他アジア人俳優を使うしかないのはもう分かったから(千葉真一は別格)。

それは置いといて、ゼロヨンをテーマにしたF&F前2作に対する「真っ直ぐ速く走るだけの何が面白いの?」という批判(そんな批判があったかどうかは知らない)に対する回答として作られたような今作。4駆のランエボをわざわざフロントのドラシャ取っ払ってFRに改造してまでドリフトしまくるという力の入れようで繰り出される、CGに頼らない華麗な横向き走行シーンはそれだけでも観る価値がある。が、D1的なドリフトって速く走る目的ではないからスピード感に乏しい(むしろスローで見たいと思うような芸術性)ので、シリーズの趣旨としてどうなのよという気がしないでもない。そう考えると『頭文字D The Movie』はすごかったなあ。。
けどまあ、我慢して最後まで観れば、このシリーズのキモとも言うべき、ダルでプアなシャシーとでかければ良いと思ってるアメリカンマッスルV8のアメ車、コンパクトなボディと精巧なエンジンでオモチャみたいな日本車、そのマリアージュがしっかりと拝める。

使われてる音楽が絶妙にダサくて好き。
あにお

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