ダニエル・デイ=ルイス、若かりし頃から途轍ももなかった。
病を抱えた実在の人物ってオスカー獲りやすいとは思うけど、そんな中でも別格の存在感。なんかもう、本当に左足しか使えない男が演じているようにしか見えない。
さらにそれだけではなく、この映画の中でもっとも緊迫するシーンだと思う「なんで愛してるって言ったんだ!」と激昂するレストランでのシーン、障害者の演技という点だけなく、孤独な内面のを炙り出すという点でも強烈だった。
加えて、子供自体は別の役者さん(ヒュー・オコナー)が演じてたけど、そちらもまた良くて。MOTHERのシーンとか、デイ=ルイスも顔負けの鬼気迫るものがありました。
ただ、演技は最高なんだけど、内容的には、ちょっと、ちょっとだけ惜しいんですよね…。
先に書いたような名シーンがあるように、この物語は”孤独の葛藤”だと思っているのですが、いくら事実に基づくとはいえ、あまりに偶発的だし美談に収めようとし過ぎてないかい、と思ってしまいました。