MURANO

マイ・レフトフットのMURANOのレビュー・感想・評価

マイ・レフトフット(1989年製作の映画)
3.9
ダニエル・デイ=ルイス、若かりし頃から途轍ももなかった。

病を抱えた実在の人物ってオスカー獲りやすいとは思うけど、そんな中でも別格の存在感。なんかもう、本当に左足しか使えない男が演じているようにしか見えない。

さらにそれだけではなく、この映画の中でもっとも緊迫するシーンだと思う「なんで愛してるって言ったんだ!」と激昂するレストランでのシーン、障害者の演技という点だけなく、孤独な内面のを炙り出すという点でも強烈だった。

加えて、子供自体は別の役者さん(ヒュー・オコナー)が演じてたけど、そちらもまた良くて。MOTHERのシーンとか、デイ=ルイスも顔負けの鬼気迫るものがありました。

ただ、演技は最高なんだけど、内容的には、ちょっと、ちょっとだけ惜しいんですよね…。

先に書いたような名シーンがあるように、この物語は”孤独の葛藤”だと思っているのですが、いくら事実に基づくとはいえ、あまりに偶発的だし美談に収めようとし過ぎてないかい、と思ってしまいました。
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