細谷しゅうへい

ポカホンタスの細谷しゅうへいのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
3.3
こ…こんなものだったっけ……?
子どもの頃観た時は映像で描かれてる以上の広い世界を想像して補完することで
ものすごい作品だと感じていたのかな…
その時の感性は大切にしようと思いつつも、
正直あまりにも中身が無くて拍子抜けをしてしまった……

第二黄金期の成功パターンであるミュージカルとラブドラマを安易に当てはめただけの形骸といった印象
過去の成功に囚われるとマンネリ化してダメになるというのがよく分かる。

では一体どうするべきだったかというと、
ジョンスミスとポカホンタスのラブドラマを中心に描くなら
単純に二人が映るシーンをもっと増やして
二人が何故恋に落ちたか具体的なイベントを描くべきだったと思う。(こんなの初歩中の初歩だが…)
ジョンスミス側のヴァージニアカンパニーの航海シーンだとかトーマスの成長?だとか
やりたいことは分かるし各キャラを丁寧に描く姿勢は好感だけど
アニメーション映画の80分という尺で実写映画のようなやり方はやはり無理がある。
冗長で無駄なシーンをカットしきれず、本来描くべきシーンをおろそかにしてしまったのが敗因だろう。

やりたいラストの為に無理矢理詰め込まれたような出来事の羅列はとても脚本といえるものではない気がする。
有機的な繋がりが感じられない。

しかしやはり2dアニメーション全盛期の技術が盛り込まれていてアートは実に素晴らしい
カラーオブザウィンドというディズニー史に残る名曲とその映像が作られただけでも
十分すぎる価値はある。
としか言えない…

大人路線に入りつつあったディズニーアニメーションで『ポカホンタス』がこんなぬるい出来だったのに翌年の『ノートルダムの鐘』は凄まじく非の打ち所がない作品に仕上がったのは面白いなぁ