ヨダセアSeaYoda

ポカホンタスのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

ポカホンタス(1995年製作の映画)
3.6
観た回数:3回か4回
直近の鑑賞:DisneyTheater(20.01.03)
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ディズニー映画は歌曲を軸にメディアやショーに取り上げられることが多いため、
「カラー・オブ・ザ・ウィンド」以外の歌曲がパッとしなかったり、メディアで使いにくかったりする今作は、2軍扱いされているように感じます。
しかし今作も、歴史や伝承をもとに人間の醜い部分を浮き彫りにした物語や映像美、他のディズニーアニメでは味わえない形のロマンスなど、魅力たっぷりの作品です。


【STORY:侵略者と先住民の敵対。禁断の恋】
未開の地ヴァージニアへ航海するイギリス人達。ラトクリフ総督は黄金を掘り当て、名誉を手にしようとしていた。
その船に乗っていた冒険好きのジョン・スミスは、先住民の娘ポカホンタスに出会い、恋に落ちる。
無用に敵対する英国人と先住民達の戦いと、2人の恋の行方は…


【未知を排斥する人間達】
先住民の土地を、さも当然かのように笑顔で侵略していく英国人が批判的に描かれるのは当然ですが、
本作ではそれだけではなく、人間の"未知の他者を排斥する本質"が描かれます。その点においては英国人も、先住民も変わりません。

歩み寄り、戦い以外の道を探そうとするポカホンタスとジョン以外、両サイドの人間が、すぐに互いを攻撃しようとするのです。

"未知を受け入れよう"という事が分かりやすく描かれ、本作を象徴する歌曲「カラーオブザウィンド」も、ポカホンタスがジョンにそういったメッセージを諭すシーンで使われます。


【自分で選択する運命】
ポカホンタスは、族長の娘(プリンセス)として、立場を弁え落ち着くように父から言われています。
しかし彼女は遠くを夢見ていますし、"柳の木のお婆さん"にも運命は自分で掴むものだと言われます。

試練を経験して改めて立場を意識するようになり、自分で選択していくその姿は、『モアナと伝説の海(2017)』のモアナに重なるものがありますね。
『モアナ〜』に恋愛要素はありませんが、共通点は非常に多く感じます。


【2次元アニメーションの映像美】
空の色や風の表現、並び立つ木に川の流れ。綺麗なCGが溢れた今鑑賞しても、2次元アニメーションならではの映像美に感動させられます。
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