プーの映画日記

スパイ・ゲームのプーの映画日記のレビュー・感想・評価

スパイ・ゲーム(2001年製作の映画)
3.9
2001年に公開されたトニー・スコット監督のスパイ・スリラー映画で、主演はロバート・レッドフォードとブラッド・ピット。本作は、冷戦時代の終わり頃、ベテランCIAエージェントのネイサン・ミュア(レッドフォード)と、彼の教え子であるトム・ビショップ(ピット)の関係と任務を軸に展開する。作品の完成度は高く、スコット監督特有のスタイリッシュな映像美や編集のテンポが、緊張感のあるスパイ活動を魅力的に描き出している。特にレッドフォードとピットのキャスティングが絶妙。レッドフォードは冷静で計算高いベテランスパイ役を巧みに演じ、ピットはその情熱的で行動的な若手スパイ役としての存在感を示している。この二人の対照的な演技が物語に深みを与えている。脚本はデヴィッド・アラタとマイケル・フロスト・ベックナーが手掛けており、リアルで複雑なスパイ活動を描く一方、師弟関係や忠誠心などのテーマも取り入れている。物語は現実的で重厚なトーンが特徴で、映像に関しては、スコット監督特有のセピア調の色彩や影の使い方が、スパイ活動の陰謀や緊張を際立たせている。美術・衣装も洗練されており、時代背景や舞台となる各国の雰囲気を忠実に再現。編集はスピーディーで、時系列を行き来するストーリー展開を巧みにまとめている。音楽はハリー・グレッグソン=ウィリアムズが担当し、緊張感を引き立てるスコアが作品の雰囲気を一層引き締める。全体として、『スパイ・ゲーム』はスタイリッシュで知的なスパイ映画として、スリリングな展開と見応えある演技が融合した完成度の高い作品と言えるか。
作品 Spy Game
監督 (作品の完成度) トニー・スコット109.5×0.715 78.3
①脚本、脚色 マイケル・フロスト・ベックナー デビッド・アラタB+7.5×7
②主演 ロバート・レッドフォードB8×2
③助演(主演以外の役) ブラッド・ピット B8×2
④撮影、視覚効果 ダニエル・ミンデルA9×1
⑤ 美術、衣装デザイン 美術ノリス・スペンサー 衣装ルイーズ・フログリー B8×1
⑥編集クリスチャン・ワグナー
⑦作曲、歌曲 ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ B8×1