プーの映画日記さんの映画レビュー・感想・評価

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名探偵コナン 紺碧の棺(ジョリー・ロジャー)(2007年製作の映画)

3.9

本作は、劇場版コナンシリーズの中核をなす要素、すなわち謎解き、アクション、キャラクタードラマを高い水準で融合しつつ、海洋冒険という新たな舞台設定を巧みに取り込んだ意欲作である。しかし、その意欲が必ずし>>続きを読む

フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)

4.4

『フリーダム・ライターズ』は、単なる教育映画の枠を超え、社会の根深い問題と人間の尊厳を深く掘り下げた傑作だ。その完成度は高く、映画が持つべき普遍的なテーマを力強く提示している。
この作品の完成度は、一
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それでもボクはやってない(2007年製作の映画)

4.5

周防正行監督の2007年作品『それでも僕はやってない』は、日本の刑事司法制度が抱える問題を深く抉り出す社会派ドラマとして、その公開当時から今日に至るまで多大な議論を喚起し続けている。満員電車内での痴漢>>続きを読む

フロントライン(2025年製作の映画)

4.0

2025年6月13日公開の邦画『フロントライン』は、新型コロナウイルスが世界を襲い始めた2020年2月、横浜港に停泊したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号内で繰り広げられた知られざる闘いを描いた>>続きを読む

ブレイブ ワン(2007年製作の映画)

4.0

「ブレイブ ワン」は、ジョディ・フォスター演じるエリカ・ベインが、婚約者を殺され自身も襲撃されたことから、自警行為に走る様を描いた作品。ニール・ジョーダン監督の手腕が光るサイコスリラーであり、現代社会>>続きを読む

国宝(2025年製作の映画)

4.7

李相日監督の最新作『国宝』は、芥川賞作家・吉田修一の傑作長編を、吉沢亮を主演に迎え映像化した渾身の一作である。任侠の血を引きながらも歌舞伎の世界に身を投じ、芸の道を極める男の半世紀を描いた本作は、まさ>>続きを読む

ノーカントリー(2007年製作の映画)

4.5

『ノーカントリー』は、現代アメリカ映画における傑作として、その地位を揺るぎないものにしている。コーエン兄弟が放ったこの作品は、単なるスリラー映画の枠を超え、存在論的問いを投げかける哲学的な深みと、研ぎ>>続きを読む

最高の人生の見つけ方(2007年製作の映画)

4.4

映画「最高の人生の見つけ方」(原題:The Bucket List)は、2007年に公開されたロブ・ライナー監督作品である。ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマンという稀代の名優が共演し、余命宣告>>続きを読む

名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)(2006年製作の映画)

3.9

劇場版『名探偵コナン』シリーズ第10作として2006年に公開された『探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)』は、その記念すべき節目に相応しい、シリーズの集大成とも言える野心作である。本作は、従来の単独犯による>>続きを読む

ゆれる(2006年製作の映画)

4.5

『ゆれる』は西川美和監督の第二作にして、現代日本映画の心理劇の到達点とも言える傑作。兄弟の確執、家族の歴史、地方と都会の断絶、そして「真実」と「記憶」の曖昧さを、ミステリの構造と法廷劇の緊張感を融合さ>>続きを読む

DEATH NOTE デスノート the Last name(2006年製作の映画)

4.1

「DEATH NOTE デスノート the Last name」は、前作から続く知的サスペンスと心理戦を、邦画としては異例のスケールと緻密さで映像化した実写化の成功例。原作の膨大な物語を2部作でまとめ>>続きを読む

DEATH NOTE デスノート(2006年製作の映画)

4.1

『デスノート 前編』、日本の漫画原作映画としては非常に高い完成度を誇る。原作の持つ倫理観の揺らぎや知的ゲームのスリルを、2時間強の映像作品としてよく圧縮。原作の名場面を再現するだけでなく、実写ならでは>>続きを読む

ディパーテッド(2006年製作の映画)

4.5

『ディパーテッド』は、香港映画『インファナル・アフェア』を原作としつつ、アメリカ社会の暴力性やアイリッシュ・マフィアの文化を色濃く反映し、独自の犯罪ドラマへと昇華。アカデミー賞作品賞・監督賞・脚色賞・>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.5

デヴィッド・リンチ監督による2001年の「マルホランド・ドライブ」は、21世紀映画史における傑作として揺るぎない地位を確立した作品である。英国放送協会(BBC)が2016年に選出した「21世紀になって>>続きを読む

プレステージ(2006年製作の映画)

4.7

プレステージ』、クリストファー・ノーラン監督による映画史に残る傑作。19世紀末ロンドンを舞台に、二人の天才マジシャンが互いのプライドと執念を賭けて競い合う物語。映画全体に張り巡らされた伏線、二重三重の>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング(2025年製作の映画)

3.4

シリーズの集大成を謳いながらも、その完成度や脚本面において明確な限界を露呈した作品。アクション映画としての派手さやプロダクションの規模感は確かに圧倒的だが、シリーズを牽引してきた緊張感や物語の緻密さが>>続きを読む

ホリデイ(2006年製作の映画)

4.1

ナンシー・マイヤーズ監督が手掛けたロマンティック・コメディの典型像を昇華した作品。135分の上映時間を駆使し「ホームエクスチェンジ」という奇抜な設定を軸に、二組の男女関係と自己成長を並列的に描く構成力>>続きを読む

あるスキャンダルの覚え書き(2006年製作の映画)

4.6

緻密な心理描写と緊張感に満ちた構成が際立つ完成度の高さ。孤独なベテラン教師バーバラと、奔放な美術教師シーバの関係が、偶然の出会いから執着と裏切りへと転化する過程を、無駄のない語り口で描写。92分という>>続きを読む

アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

4.4

映画「アヒルと鴨のコインロッカー」批評
伊坂幸太郎原作、中村義洋監督による映像化。仙台オールロケによるリアリティ、巧緻な脚本構成、キャストの多層的演技が融合する青春ミステリー。
脚本は原作の二重構造を
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ユナイテッド93(2006年製作の映画)

4.3

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件を題材にした『ユナイテッド93』は、ポール・グリーングラス監督によるドキュメンタリータッチの緊迫劇だ。実在の航空機ハイジャック事件を再現するため、無名俳優>>続きを読む

初恋(2006年製作の映画)

4.1

映画『初恋(2006)』は、中原みすずの同名小説を原作とし、塙幸成監督によって映画化された青春恋愛映画。1968年、新宿を舞台に、実在した「三億円強奪事件」の犯人を女子高生に置き換えた大胆な設定が特徴>>続きを読む

007/カジノ・ロワイヤル(2006年製作の映画)

4.1

ジェームズ・ボンド・シリーズのリブート作『007/カジノ・ロワイヤル』は、従来のスパイアクションの枠組みを超えた心理描写とリアリズムを追求した作品。ダニエル・クレイグの新たなボンド像が、シリーズの歴史>>続きを読む

インサイド・マン(2006年製作の映画)

3.9

スパイク・リー監督が商業娯楽と社会派テーマを融合させた本作は、銀行強盗劇の枠組みを超えた知的なクライムスリラー。緻密な脚本構造と俳優陣の圧倒的演技が織り成す緊張感は、2000年代アメリカ映画の傑作と呼>>続きを読む

フラガール(2006年製作の映画)

4.5

実話を基にした社会派エンタテインメントとして、脚本・演出・演技が有機的に融合した稀有な完成度。炭鉱町再生という重いテーマを、ダンスを通じた人間成長物語へ昇華。映像と音楽が織りなすエネルギッシュなダンス>>続きを読む

プラダを着た悪魔(2006年製作の映画)

4.5

映画『プラダを着た悪魔』批評:ファッション産業の光と影を描く人間劇の完成度
2006年公開の『プラダを着た悪魔』はファッション業界の残酷な美しさを描きながら、人間の成長と価値観の衝突を鋭く表現した作品
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アウトサイダー コレクターズ・エディション/アウトサイダー ディレクターズ・カット版(2005年製作の映画)

4.2

フランシス・フォード・コッポラ監督による『アウトサイダー コレクターズエディション』(2005)は、S・E・ヒントンの小説を忠実に映像化した青春ドラマの傑作。階級対立と青少年のアイデンティティをテーマ>>続きを読む

ロード・オブ・ドッグタウン(2005年製作の映画)

4.1

1970年代カリフォルニアを舞台にスケートボード文化の誕生を描いた本作は、キャサリン・ハードウィック監督の疾走感ある演出と実話に基づく脚本が融合した青春群像劇。Z-BOYSと呼ばれた若者たちの栄光と挫>>続きを読む

教皇選挙(2024年製作の映画)

4.1

厳格な秘密主義で覆われたコンクラーベの内幕を描く本作は、政治劇と宗教的思索を融合させた比類なき映像体験を提供する。エドワード・ベルガー監督が『西部戦線異状なし』で培った緊迫感ある演出技法を昇華させ、現>>続きを読む

ヒストリー・オブ・バイオレンス(2005年製作の映画)

4.0

デヴィッド・クローネンバーグ監督は、グラフィックノベル原作を「暴力の本質」へ昇華させた。従来のグロテスクな作風を抑制しつつ、人間の内面に潜む暴力性を静謐なタッチで描出。田舎町の平穏と暴力の爆発的衝突は>>続きを読む

名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)(2005年製作の映画)

3.9

作品の完成度。劇場版『名探偵コナン 水平線上の陰謀(ストラテジー)』、シリーズ第9作。舞台は豪華客船アフロディーテ号。密室性、逃げ場のない海上という舞台設定。空間的制約がサスペンスを高める。物語構造は>>続きを読む

ダークナイト ライジング(2012年製作の映画)

4.2

ノーラン版バットマン三部作の完結編。シリーズの集大成としての重厚な完成度。IMAXカメラによる映像の奥行きと重厚感。アメコミ映画の枠を超えた大人向けの雰囲気。大災害時代における「誰もがヒーローになりう>>続きを読む

ダークナイト(2008年製作の映画)

4.5

現代映画史に残る犯罪サスペンスの金字塔。クリストファー・ノーラン監督による徹底したリアリズム志向。IMAXカメラによる圧倒的な映像密度、シカゴロケによる都市の重厚な質感。VFXに頼らず、実景とアナログ>>続きを読む

バットマン ビギンズ(2005年製作の映画)

4.2


徹底したリアリズムと重厚な人間ドラマ。従来のコミック映画の枠を越え、ヒーロー誕生の必然性と社会的意義を描出。ノーラン監督による緻密な構成、映像美、音響設計の融合。ゴッサムの腐敗と再生、恐怖の本質を多
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名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)(2004年製作の映画)

3.5

劇場版『名探偵コナン』第8作は、怪盗キッドと航空機パニックを軸にしたハイブリッド構造。脚本・古内一成の構成力が光る一方で、ジャンルの混在が作品の統一性に影響を与える二面性を持つ。監督・山本泰一郎の演出>>続きを読む

名探偵コナン 迷宮の十字路(クロスロード)(2003年製作の映画)

4.3

シリーズ史上最高峰の整合性を誇る脚本構成。美術品窃盗団「源氏螢」の連続殺人事件と仏像盗難事件が複層的に絡み合い、最終的に全ての伏線が収束する完璧な収斂構造。京都の地理・歴史・文化を縦糸に、平次と和葉の>>続きを読む

名探偵コナン ベイカー街(ストリート)の亡霊(2002年製作の映画)

3.9

シリーズ屈指の完成度。仮想現実と現実世界の二重構造、AIやVRという時代を先取りした題材。現実とゲーム内で同時進行する事件、子供たちの命を懸けたサバイバル。コナンと父・優作の親子関係、天才少年ヒロキと>>続きを読む