チッコーネ

スパイシー・ラブスープのチッコーネのレビュー・感想・評価

スパイシー・ラブスープ(1998年製作の映画)
3.7
開放政策がだいぶ進んだ時代の大陸作品で、女優たちの洗練された美しさや、よく整備された商業施設、そして都会のライフスタイルなどを垣間見れるのが面白い。個人的にはシャオ・ピンの鍛え抜かれたマッチョ体型に「中国男子もここまで来ていたか…」と唸らされた。また軽い濡れ場や半裸の男女なども随所に登場。

その反面、中国人気質や俗っぽい生活習慣、そして豊かな食文化の描写なども散りばめられており、近年にも連なる「欧米の観衆を意識したアジア映画のマナー」のようなものが感じ取れた。

これが邦画だとグダグダで大甘になりそうなオムニバスのラブストーリーだが、抑制は効いている。特にラストのエピソードは、世界有数の人口を誇る中国ならではの、奇跡と喪失の物語で、面白かった。