モモモ

ヘンリーのモモモのレビュー・感想・評価

ヘンリー(1986年製作の映画)
4.0
若かりし日のマイケル・ルーカー演じる実在のシリアル・キラーの「日常」を描く一作。
映画が始まって最初に映るのは「女性の死体」で、そこから畳み掛けるは「殺し」の連続。
肝心の「殺害シーン」を省略する事で生まれる上品さが最悪だ。
そして省略の果てに「カメラで捉え続ける一家惨殺」が待っているのだから、良く出来た構成だ。
「感情移入できない連続殺人鬼」の同居人である友人とその妹。
とにかく憎まれ口ばかり叩くけど一応妹に愛情はあるのか…?サイコキラーとは言えお前には愛情みたいなのはあるのか…?と観客を揺さぶる80分。
最後の最後で本作は「いやいや、こいつは共感もクソもない人殺しですよ?」をこれでもかと叩きつける。
クソ野郎が殺しに手をつけて尊大になった事で肉親を犯す超クソ野郎に成り果てた…そして巻き込まれた哀れな女性…では主人公はどうかと言うと、最初から一貫して変わってはいない。
母親からの虐待で「性」と「女性」に異様な憎しみを抱き、殺しは厭わないソシオパスで、時折友情や愛情の断片を見せるが自身の邪魔となれば即切り捨てる。
モーテルから一人で出てきた時の「やっぱりね」が最悪で最高。
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