『秋日和』は、おじさま軍団の悪ふざけのようなおせっかいと、そんなおじさまたちに説教する若き日の岡田茉莉子がとても可愛いい。あの場面を見るだけでも、嬉しくなるのだけれど、でも、今の時代、おじさま軍団も若き岡田茉莉子や司葉子も、結婚は女の幸せというあの時代の価値観の上で物語が展開していくので、いまの若い人たちは、そこてひっかかってしまうもしれない。
だけど、そんな時代的な引っ掛かりと、映画としての面白さは別のところにあるんだけどなあ、とこれからの時代に、小津作品はどうみられるんだろうという不安というか寂しさを感じてしまうのだった。