ぽんぽこ

秋日和のぽんぽこのレビュー・感想・評価

秋日和(1960年製作の映画)
4.0
東京タワーが見える寺で営まれた未亡人、三輪秋子(原節子)の亡夫の七回忌の席で亡夫の友人、間宮(佐分利信)、田口(中村伸郎)平山(北竜二)が顔を合わせます。
秋子の娘、アヤ子(司葉子)の縁談話しに間宮の部下である後藤(佐田啓二)を紹介するのですが、アヤ子は自分はまだ結婚するつもりは無いし、母親が1人になってしまうのを気にしているのです。
それが原因で、アヤ子が結婚を躊躇ってるのと思った男3人は先に母の秋子を再婚させようと躍起になるのでした。
男3人は昔、密かに秋子の事が好きでしたし、平山は現在、奥さんに先立たれて息子と2人暮らしで、自分が友達の奥様と再婚しようと、割と本気なのでした。


小津映画で、奥さんに先立たれた男がお手伝いさんが家に居るっていう設定があるけど、一部の裕福な人はそういう人居てたのですかね。
秋子の爪の煌びやかなん、気になる。
小料理屋のおばちゃんを何気にディスっていて、地獄耳なおばちゃん、聞いてる笑。
平山のおじさん、トイレ行き過ぎだし、痒い所がどうとか、下ネタ多いのが隠れ小津という感じでした。


アヤ子の友達、百合子(岡田茉莉子)はサッパリした娘で、細かいギンガムチェックのパンツに白いキャミソールの上にくすんだ、えんじ色の透かしニットを重ね着して、かわいかったです。
黄色のホーローのヤカンも素敵。


この時代は周りの人たちが縁談話しを当たり前に持ってきたりして、今の人からしたら、お節介であり得ない事だろうけど、よくよく考えてみると、他人の娘の面倒を見るって凄い面倒な事だと思わん事もない。
言ってしまえば、他人の娘がどーなろうが関係無いんだもん。


アヤ子は結局水面下では後藤と仲良くなってるんだけど、心の中では母が気になって葛藤している。
百合子は自分とは性格が違うから、共感してもらえなくて、喧嘩しちゃって口聞かない。
百合子は、いい娘で気になって訪ねて来てくれるんだけど。
百合子、「いぃーーだっ!」って。
いぃーだって台詞、いつから言わなくなったっけ?って思わず考えました。

最後の親子旅行。
これで最後かと思ったら寂しくなるよね。
母と娘の関係ってやっぱり独特で、私も娘と仲が良いので、結婚式の日は多分祝福なんて出来なくて、顔死んでると予想出来ます。(取り越し苦労の可能性もアリ)
ラスト、優しい百合子が訪ねてきてくれて帰った後、秋子は誰も居なくなった家の布団の上で1人寂しくて、しんみりしてたけど、多分寂しさのマックスここやで。
通過儀礼。
徐々に慣れて違う楽しみ方見つけよう。
たまには遊びに来るかも知れんしね。



観る立場や男女や年齢によって感じ方が違うかもと思った作品でした。
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