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たまの映画のtetsuのレビュー・感想・評価

たまの映画(2010年製作の映画)
3.0
今泉監督作品に興味があり、鑑賞。


[概要]

かつて、一世を風靡した個性派バンド・たま。ブームから数年で解散した彼らの現在と、ケラリーノ・サンドロビッチ・大槻ケンヂ・上田誠(ヨーロッパ企画)など、様々な人々のインタビューからなるドキュメンタリー映画。


[感想]

"たま"については「きょ~、人類は初めて~、木星に着いたよぉ~!(着いた~!)」という歌詞のインパクトと、ランニングを着た"山下清"みたいなおじさんというイメージしかなかったが、本作を観ると、「個性派シンガーが奇跡的に集まった伝説的なバンド」という印象へと変わった。
(そして、「ヒガシマル うどんスープ」のCMソングを歌っているメンバーがいるということも分かった。笑)

作品自体は、ライブドキュメンタリーに近い体裁。そのため、各メンバーの演奏シーンも長く、彼らに魅力を感じない人であれば、若干、キツいかも……。
(そういう点で、"たま"のファン向け映画という側面も強い。)

今泉監督作品としては、初期作品に通ずるクレジット表記や、終盤でメンバーがバンドの解散を「恋愛」に例える描写が印象に残る。

また、監督本人が街頭インタビューをするという珍しい場面もあり、「好きな歌手は、GReeeeNとEXILE」と答える無邪気な少年たちを採用している点に、監督のユーモアセンスが光っていた。

「自己満足と捉えられたら終わり」、「自分のしたいものをする」と語るメンバーの言葉は、音楽のみならず、映画も含む創作活動に通ずるもの。

近年の今泉監督作を知っていると、その両立を目指す監督のスタンスが、より、浮き彫りになってくる作品だと思った。


参考

ヒガシマル醤油「うどんスープCM」スタンダード(西日本)篇 / 2016年
https://youtu.be/L4mX0I7IF_c 
(この曲を歌っているのが、元たまのメンバー・和久寿焼さん。)

vol.12 後編 「今泉かおり」さん 〜こんな人はどこにもいないとふと気づく〜
https://social-trend.jp/39246/
(制作の裏で……。)
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