オーウェン

バードのオーウェンのレビュー・感想・評価

バード(1988年製作の映画)
3.7
ジャズ好きなイーストウッド。これまでの主演作でもたびたびジャズが劇中に流れていたことから、好きな度合いがうかがえる。

そんな彼が手掛けないわけにはいかない、サックス奏者のチャーリー・パーカーその人の伝記だ。
バードというのはパーカーの愛称で、タイトルはそこから来ている。

伝記になるミュージシャンというのはたいてい波乱万丈で、麻薬や酒におぼれた過去を持ち、浮名は当たり前。
だが音楽になると突如輝くようになる。
そこの部分に魅力が凝縮されているのだろう。

回想形式だが見所はやはりサックスの音色。
落ち着かせるような、それでいてノってしまいそうな、そんな複雑な感情を聴かせてくれる。

フォレスト・ウィッテカーは晩年のほうがやはり説得力がある。
堕ちていく部分と、演奏シーンが特に印象に残る。

唯一の懸念はサックスが流れていないシーンの対比が、とても寂しいことだ。
それだけ引き付けるものがバードのサックス演奏にはあることの証明だろう。
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