Takumu

アポロ13のTakumuのレビュー・感想・評価

アポロ13(1995年製作の映画)
4.9
絶対に生還する。

1970年4月11日13時13分、アポロ13号が月面着陸を目指して発射された。不安視されていたドッキングも成功し、順調な航行かと思われた矢先、酸素ガスタンクの爆発によりジム・ラベル率いる3名の宇宙飛行士が生命の危機に晒されてしまう。酸素も電力もギリギリの状況で地球への帰還を目指す、究極の実話。

月面着陸というロマンへの憧憬と、極限状態でのサバイバル、同じゴールを目指すチームの素晴らしさがリアルに、迫力をもって描かれていた。ほぼ全編を通して、途切れることのない緊迫感に押し潰されそうになりながらも、一つずつ問題をクリアしていく様に毎回胸が熱くなる。特に、ケンがチームに戻ってからの展開にずっと心が震えて止まらない。悪人が出てこなくて、全員協力型の王道展開ではあるし、事故を知らなくても結末の予想はできるんだけど、それでも面白く心から感動できる。

専門外なので科学的な考証にはノーコメントですが、90年代とは思えない無重力の表現と丁寧な脚本に感動した。重要な局面で頼れるのはやはり人力なのだ。3人のクルーが医者に『反乱』し、ケンが嫌味を言うシーンは流石に笑ってしまう。あと、視聴率の話題がリアルでとても寂しく感じた。

この事故自体知らなかったが、『栄誉ある失敗』と言われるのも納得の偉業で、月面着陸に限らず、仲間や家族の大切さを学べる教育にも有用な映画だと思いました。人類の興味が再び宇宙に向きつつある現代、次の『アポロ』は現れるのか。

希望を掴み取れ。
Takumu

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