スローターハウス154

悪魔のいけにえのスローターハウス154のレビュー・感想・評価

悪魔のいけにえ(1974年製作の映画)
4.0
2020/3/13

世の中いろんな性癖が存在すると思うけど、どんなエロもとことん突き詰めてみれば「肉を喰いたい..」という欲望にたどり着くのかもしれないと思った。つまり食人というのはエロを超越した、エロよりもより根源的な欲望なのでは?  
男も女も関係なく肉塊にすること。「所詮家畜と同じ肉塊に過ぎない」というある種ジェンダーフリーとも言えそうな思想さえ伺えさせられたり? 食人の境地に至った人間(あるいは人間のカタチをした何か)は、いったいどのようにしてその境地にたどり着くんだろう。ナチュラルボーンな特性?あるいは後天的に覚醒したものなのか?
車椅子の彼(ヒッピーの方)の役割がいまいちよくわからない。あれだけ意味深な登場人物なのに、なんだか活躍しきれていないカンジ。これは考察をググってみようと思う。

この食人鬼との遭遇、意外とリアルなシチュエーションだと思った。
彼らが白い清潔そうな家に住んでいるのが一層怖い。こんな田舎で車がエンコして、こういういかにも良識のある人が住んでそうな家が目についたら、そりゃ「すいませーん、誰か..」って立ち寄っちゃうよ。晴れ渡る青空のもと、自然豊かな田舎の綺麗めの家の中で撲殺されるかもしれない..なんて誰が予想できようか。この食人鬼たちは、立ち寄った彼らがヒッピーなんかじゃなくっても、誰かれ構わず殺ってるんだろうな...。今後、人の善意に寄った旅なんてできなくなってしまうかも。つまり、この映画がしっかりトラウマになった。でも、世の中こ~いう予想を遥かに上回るやばいやつもいるというのも知っとくべきではあると思う。

にしてもあのおじいちゃん...てっきりインテリアなのかと思ったら生きとったんかワレ。。というのが唯一のファンタジー要素だった。