デヒ

続・夕陽のガンマン/地獄の決斗のデヒのレビュー・感想・評価

5.0
本映画では、劇で良く観られる典型的な構図である「勧善懲悪」の明確な区分の代わりに、各々の登場人物たちの持つ性向と彼らが追求する目的との違いに焦点を当て、それによって繰り広げられる登場人物の間の葛藤が主体となって劇をリードしていくが、これは結局善と悪の区分が曖昧になる結果(善と悪の解体)を生み出し、現実味を高める。 墓地の上で三人の対立する場面の葛藤する姿で効果的に現われる。血も涙もなく目的の達成を追求する「ザ·バッド」の姿に曖昧さを感じた。

西部劇と言えば思い浮かぶ音楽とクリント·イーストウッドが出演した作品ということで知っていた作品である。そして韓国のキム·ジウン監督の『グッド・バッド・ウィアード』のあらすじのベースとなった原作作品である。本作は当時、韓国の映画を観た後、原作に興味を持ち、鑑賞した。日本語でのタイトルは『続・夕陽のガンマン』だが、英語タイトルは『グッド・バッド・ウィアード』である。韓国の作品の場合、作品性よりはコメディー的な娯楽性を重視したことで楽しいながらも残念な気持ちがあったが、原作の1966年のものは最初の場面から大きなショックを受けた。顔面の極端なアップやズームしていく姿に没入感と緊張感を与え、銃撃を一度にすべての状況を簡潔に終わらせる。思ったより銃撃シーンは多くなく、静かな雰囲気の中で進行しているにもかかわらず、私の頭の中には素晴らしいアクションとともに驚きが響いていた。
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