針

子連れ狼 死に風に向う乳母車の針のレビュー・感想・評価

3.8
映画版「子連れ狼」シリーズの3作目。これも監督は三隅研次。
前作の『三途の川の乳母車』がひたすらバサバサ斬りまくる映画だとしたら、こちらはタメと我慢の一作という感じ。前半から中盤にかけてテーマとストーリーをゆっくり描いていって終盤大立ちまわりという流れなんだけど、正直そこまで厚みはないので自分的には過程はまずまず。ただしラストの戦いがめちゃくちゃ盛り上がるのと、序盤の伏線のおかげで終盤が鮮やかなので後味はわるくないなーと。

あんなに可愛かった大五郎がだんだんドスの利いた目つきもするようになって、うーん複雑な気持ち。
あと今作の拝一刀(おがみいっとう)はちょっとだけ殺し方が卑怯なとこなくない? まぁ冥府魔道に生きる親子に正義も仁義もない気はするけど……。

戦闘シーンはやっぱり良いけど、それと同時にいろいろ笑っちゃうところも多かったです。画角が完全に戦争映画になってるところがあったり、絵面が100%マカロニウェスタンのとことかあるんだもの……🌵

あとは準ヒロイン役の浜木綿子は目ヂカラの強い美人さんで、無意味に脱がないところが自分は好ましい。この方の息子さんが香川照之とあとで知ってビックリ。

それとこの映画が悪いわけではないのですが……。
この手のならず者が出てくる映画には、国の内外問わず未遂も含めてレイプシーンが頻出するけど、ときどき観るのがすごくつらくなるときありますよね……。おそらく半分はエロで、もう半分は酷な世界観を伝えるためのシーンなんでしょうけど、映画観てるとすごくよく出てくるからたまにキツくなる……。

クライマックスについて一言。
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