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別離のエコのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
3.8
先日NHKのドキュメンタリーで、イランにおける女性の権利活動や反政治活動家への逮捕・死刑などの特集を観た。この映画は、それをテーマにした映画ではないが、この映画の根底にもイランのこの深い問題があるように思えた。男尊女卑、女性は男性とは違う守られるべきものという保守的思考だ。
主人公の夫婦は、そんな国の中、進歩的で互いの立場や生き方をある意味尊重している。しかし、貧しい介護職を希望する家族は信仰心が厚く、男性及び女性の伝統的役割を守ろうとする。
それぞれの家族は一生懸命生き、責任を果たそうとする中である事件が起こってしまう。最終的には真実が明かされるが何故そこに行き着くまでにその事実が明るみに出ないのか。そこにこの国の難しさがある。妻が夫に対して弱い立場にあるからだ。
主人公の娘は最終的に悲しい決断をしないといけないのだが、この国では、とても恵まれていることなのかもしれない。日本では当たり前になりつつある、女性も男性同様自分の意志で、自分の生き方を決められること。それが世界どこでも見られることを望む。
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