心臓が痛くなる映画。演技とは思えないほど深みのある表現力によりまるでドキュメンタリーのように感じられたから余計に辛くて。そして誰の立場も理解できてしまうから、登場人物の数だけ苦しみが倍増する。でも観てよかった。
【メモ】
・何で粗相したおじいちゃんを助けてあげないんだろうと思っていたら、そうか宗教上の問題が絡んでくるのか…。そんな事は序の口で普通ではない制度が当然のように受け入れられていて驚愕する。
・自宅介護の壮絶さがありありと伝わってくる。堪えられず涙する背中を見て、縛られた瀕死の父を発見した時の彼の気持ちを考える。またこれを毎日無償で行っていた妻を想う。
・仲良くテーブルサッカーをしているシーンから一転、男は声を荒げ女は涙を流す地獄絵図。
・嘘をついた後に車で静かに涙する娘。
・父か母か選択を迫られた時の姿。
・ドアガラスに鼻を押し付けるような無邪気さが失われ刺さるような視線。
