キモサベ

別離のキモサベのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
3.6
理由などありません
でも、これまでの経験から『こりゃ、たいへんなことが起きるな』・・・と思ったのです
そんな“ざわざわ”とした空気のようなものを終始感じてました

まるで“ダルビッシュ”の多彩な投球のように、アスガー・ファルハディ監督は次から次へと“キーワード”を投げつけてきます
『移住・離婚・裁判・アルツハイマー・介護・教育・妊娠・格差・貧困・うそ・宗教・示談。。。』・・・です(こりゃ、“ダル”以上だっ!)

何のことはない、この家庭がすなわちイランそのもの、“縮図”だったのですね

さて、自分はこの映画の登場人物たちから、共通するものが見えてきました・・・すなわち“余裕がない”、です

夫ナデルは、仕事と娘の教育に追われている姿がありあり
妻シミンは、許可の降りた移住のタイムリミットがあと40日しかないと言ってました
ヘルパーのラジエーは、もちろん“お金”でしょう(そのために片道“2時間半”!って言ってました)
ラジエーの夫ホッジャトは、失業中で怒りの矛先はあっちこっちの様子
彼の「失うものは何もない」が刺さります

と、全て精神的にも肉体的にも金銭的にも、“余裕がない”・・・です
どでしょ?
冒頭に書きました“ざわざわ”感は、ここから来ていたんですね

それと、気になったのが頻繁に登場する両者の言い分を聞くシーン、双方同席させてちゃ言い争い“火に油を注ぐ”だけだと思いません?
この国(イラン)はどうなってんの?・・・そっかぁ、国も“余裕がない”んだ

結論・・・って、よその国のこと心配してる場合じゃないか?
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