kuzira

別離のkuziraのレビュー・感想・評価

別離(2011年製作の映画)
4.6
守れてる物はあるのだろうか
守ったものはなんなのだろうか

口から言葉をこぼす程に
嘘が言葉を蝕んでいく

真実なんて存在している様でしていないのかもしれない
真実なんか存在できない様にしているのかもしれない

嘘の言霊を浮遊させて、疑心を産み、嘘をついてないとまた嘘をつく
惨めで愚かに染まっていく自分を認められず、ひたすらに泥を周りに撒き散らす


誰が望んでいるのだろう
結局何の為に誰の為に、そもそも守りたいものなどあったのだろうか

自分のエゴで周りが見渡せず
本当に守られているのは自分自身だという事に気付かない、気付けない

嘘のその先にある人間の本当の「別離」を目の当たりにし、娘が泥を被ってでも唯一望んだものが間違いなく形にならない事を悟る


映画という嘘を通して描かれる証拠を
「嘘」が題材の話を通して「真実」を観てしまった気がします
頭抱えます、今もボーっとしてる
kuzira

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