現代の、その国(イラン)に内包されている諸問題を、単なる家族間の衝突のドラマの中であぶりだす演出がうまい。
『ある過去の行方』の観た時もそうだったが、この監督は簡単に”真実”を教えてくれない。しかし“真実探し”という仕掛け(エサ)に食いついて最後までこの“サスペンデッド”な状況に翻弄されていると、いつしかディテールが見えてきて大きな“輪郭”が見浮かび上がってくる。
これってもちろんサスペンスでもあるし、推理ものでもあるし、裁判ものでもあるのだが、手法が近いのはハードボイルドだ。
それが形を変えて家族間でやっているだけ。
そんな映画、他にある?
寡聞にしてオイラは知らない。
DVD(3/18/2015)