心の琴線に触れる、ってこういう事♩
究極のサバイバルにして
究極の喪失と
究極の孤独の中に描かれるのは
自分自身との対話や
取り戻せない過去・・・
だから
どうしようもない淋しさが押し寄せたり
一人じゃ生きれない弱さとか
変える事の出来ない運命に押し潰されそうになる
この映画の凄いところは、単なる「サバイバル」を描くのではなく、そこからの生還によって引き起こされる(現代的な)「更なる喪失」の中に、映画としての本質を詰め込んでいるところ
その「2段階の喪失のドラマ」でもって訴えかけてくものは、モノや情報に囲まれた社会に生きる私たちが普段抱える「虚しさや淋しさ」そのものであったりもする
モノがなくて不自由な、島での生活
モノに溢れても心が満たされない、都会での生活
一体どちらの生活が幸せなのか・・・と、まるで、人生に対する価値観そのものに問いかけてくるような、とんでもない深みに吸い込まれるんですよね♩
ウィルソンとか
翼の箱とか
象徴としての物質の使い方が効いてるし
1つの画面のなかで、的確に情報を伝える構図の上手さも光っている!
特に
生還後に彼女の自宅で、主人公の背景に何気に入る「結婚式の写真」なんか、「自分がそこにいたはずの生活に、自分がいない」現実の苦しみが、絶妙な圧力で迫ってきた
流れ着いた箱をすぐに開けずに大事に置いてあるところなんか、さすがフェデックス!ですけどw
ヒトとモノの繋がり
そして
ヒトとヒトの繋がり
その本質的な部分が、特異なシチュエーションの中で語られる、映画的な柔軟さに満ちている
ウィルソンに言った言葉が
「Thank you」ではなく
「Sorry 」だった事…
まさしく、心の琴線に触れる、秀逸なシーン!
涙の量も半端じゃない…
エンタメに徹しながら、人間のドラマをきちんと描き込むロバート・ゼメキスの才気溢れる1本♩