祝オスカー『ANORA アノーラ』後夜祭
アノーラは「令和のプリティ・ウーマン」と称されることも多いですが、なら「昭和の?平成の?アノーラ」の方も観ておこうかなと。個人的にちょっと好みの映画でなさそうで観るのをずっと避けていた事情もあり通して見るのはこれが初めて。(ロイ・オービンソンの例の主題曲とか有名なシーンの断片は知ってましたけど)
脚本のJ・F・ロートンによる元々のタイトルは"3000"だったらしいですが、これは実業家エドワード(リチャード・ギア)がhookerのヴィヴィアン(ジュリア・ロバーツ)と1週間の同伴契約を結んだ際の金額。生々しい(笑)このタイトルだったらここまでのヒット映画にはならなかったかもですね。。で、アノーラはこの金額の5倍、15000ドルで同じく1週間の同伴契約をしていると。これはかなり狙った意識的な設定だったと思われます。
もちろん両者には相違もけっこうあって、ガチのドラ息子イヴァンと違いエドワードはスマートで紳士然とした実業家。オペラ鑑賞とかを趣味にしちゃってると。とは言っても、出会った初日からけっこうやることはやってんのよね。。またヴィヴィアン役の若きジュリア・ロバーツはとても魅力的ですが、Filmarksでも使われている有名なポスターを筆頭にセンシティブなシーンではシェリー・ミッシェルというモデルのボディダブルがかなり使われていたりして、これはマイキー・マディソンの体当たり演技とは対照的。
ラブコメファンタジーなのだからそれくらいたいした問題ではないとも言えるのですが、正直、あちらこちらに時代を感じる描写が多かったのも事実。なので何となく昭和なのかと思っていたのですが、確認すると1990年公開。ということで平成2年、ギリ平成作品なんですよね。「平成のアノーラ」。近年、古いものを揶揄する時によくそれは昭和の〜などと言われがちですが、実際には昭和ではなく平成であることが多いような気がしています。