キッチー

一命のキッチーのレビュー・感想・評価

一命(2011年製作の映画)
3.5
海老蔵さんの眼力が印象に残る映画でしたが、瑛太さんと満島ひかりさんの演技も良かったです。

瑛太さんのシーンはまさに迫真!でも、彼が演じた千々岩求女の人物を知ると切なさがこみ上げてきます。その妻を演じた満島さんの無邪気な狂気の演技(亡骸が持っていたお菓子を美味しい美味しいと食べる)もなんか強烈でした。
全編に亘って映像も暗く、重い作品。

関ヶ原を経て徳川家の治世が長く続く頃、豊臣恩顧の大名、外様の福島家は幕府から難癖をつけられ、転封された挙げ句にお取り潰しになる。その家中にいて浪人となった者たちの悲哀。折しも名家の門前で切腹をしようとして取り立てられた浪人が噂になり、貧乏浪人が狂言で切腹を申し出ることが流行った時代...
井伊家の官僚的な対応が酷い、こんなところで登場する赤揃いが悲しかった。

三池 崇史監督作品。


題名は違いますが、同じ題材の小林正樹監督、仲代達矢さん主演の1962年の『切腹』も観てみたくなりました。
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