小説版があまりに良すぎて10年振りに鑑賞してみた。
まず結論からいえばただただ沢尻エリカが美しすぎるだけの
特別濃い内容の映画ではないのだが、
このスマホ時代だからこそ「実際に手書き」で相手に想いを伝えるという尊さが身に沁みるストーリーだった。そして万年筆が欲しくなる作品だ。
誰とでも気軽にLINEやInstagramのDMで繋がれたり、
会ったことのない人まで会話ができたりと便利になった時代ではあるが
手書きで描かれたメッセージのほうが
気持ちが伝わるのは言うまでもないだろう。
そして一昔前に比べて
手書きでなにかメッセージが描かれたものをもらったり、
渡すことも減ったため「特別感」も増すことになる。
◆登場人物全員が温かい
1本の万年筆がきっかけで、偶然が織りなす心温まるラブストーリーがとにかくほっこりさせられる。
教師という仕事の尊さが良く伝わり、終盤の子供の送る言葉は切なくジンとくる。
バイトに部活に恋愛に、目の前のことに一心に取り組む姿勢はノートから得たものであり、もしこれがiPadなどのタブレットだとここまで感動しなかっただろう。
◆万年筆の奥深さ
いつも安モノボールペンしか使わない自分にとっては未知の世界だった。
万年筆は丁寧に扱えば一生寄り添うことのできるだけでなく、
使えば使うほどペン先が摩耗していきユーザーのクセに合うように育っていく。
自分好みの書き味に育っていくのは
まさにお金で買えないかけがえのないユーザー体験だと思う。
「男のロマン」とでも言えようか。
今までドクターグリップくらいしか使ったことがなかった小生は早速近鉄百貨店にいって万年筆を見に行こう。