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戦艦ポチョムキンのRIOのレビュー・感想・評価

戦艦ポチョムキン(1925年製作の映画)
5.0
タルコフスキーからの教訓を得て 天才は劇場で観なくてはとシネマヴェーラへ

大迫力の朝1番のポチョムキン

1#「人間とウジ虫」
2#「甲板上のドラマ」
3#「死者の呼びかけ」
4#「オデッサの階段」
5#「戦艦との合流」

叩きつける波 全ロシアに広がっている革命の気運 遅れてはならないと意気込む水兵たち
戦艦も迫力ですが総合して音楽が本当に凄かった 終わってから立ち上がれないくらい圧されました ショスタコーヴィチ☆

ハンモックの交差するバランス 上から見下ろす下から見上げるの圧倒される構図も陰影も素晴らしい
会話から日本人捕虜の扱いも酷い事も窺える

腐った肉を食べされられるのは御免だと訴えても虫の見えない船医スミルノフ
反乱が起こって投げ飛ばされた眼鏡の見せ方や床に刺さった十字架など確実な意味を持たせた象徴の扱い

塩をパンに載せて飢えを凌いでいた
文句のある人間は銃殺と布を被せられ危うく撃たれる緊張感
船首の紋章 ラッパ 十字架が撮される
セルゲイ・エイゼンシュテインのセンス凄いモンタージュ

寸前に叫んだバクリンチュク水兵
「兄弟、誰を撃つのか」というセリフ
惨劇を前に頭を垂れるしかなかった人間たちの中から振り絞った勇気に死を与えられる

彼の亡骸はオデッサの港に届けられた
街中の人々が亡骸の眠るテントに訪れる
水面の光
すれ違う舟
このシーンが観たかった 美しかったぁぁ

市民の反乱前夜の港も朝靄の中に揺れる船
オデッサの階段

聖職者に扮したエイゼンシュテインの髪の毛はコントでした

ぶちまかせ士官どもをと言ったバクリンチュク水兵の言葉に立ち上がり無血で勝利したことに大きな意味を感じました

芸術性の高い作品はやはり劇場で鑑賞すると感動の深さが更に増しました 涙
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