さすがヒッチコック、映画としての完成度は当時として抜きん出ている
名作と手放しで言いたいところだけど、今見ると女主人公のバーグマンの置かれた立ち位置がめっちゃしんどい
お前は女なのに堅物だ恋せよと同僚から突然キスされるひどいセクハラを受け、ちょっと男と散歩に出ればまるでセックスでもしたかのように寄ってたかってニヤニヤ皮肉を投げつけられ
真相を究明しようとすると女だから理性がないと恩師にすら言われる
地獄みたっぷりだ
嵌められた記憶喪失のグレゴリーペックと同等かそれ以上の屈辱…
ヒッチコックだからとかなり覚悟して見たのに、それでもダメージは大きかった
その時代の文脈で見れば『当時の当たり前』なんだけど、こればかりは仕方ないね
『風と共に去りぬ』という不朽の名作がスパイク・リー監督作『ブラック・クランズマン』の冒頭に使われたように
それもまた映画の宿命