ごんす

ブルーバレンタインのごんすのレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
5.0
恋愛地獄系映画。
別れを描いた映画は多々あるけどここまで生々しい映画はなかなか。
男が元々は決して悪い人じゃなかったのに想いがこじれてネジがとんだ行動に出てしまう場面の生々しいこと(関係ない人巻き込んじゃダメ!)

二人の出逢いや幸せな時期、それから関係が壊れてしまうまで両方を観るだけでもけっこうきつい。
だがエンドロールでしっかりこちらの息の根を止めにかかってきた。
あのエンドロールは悪趣味の域(一応誉め)

相手の好きだった所、特に恋愛初期においては惹かれた要素が時が経つと今度はそこが憎い要素となってしまう。
ロマンティックで頼り甲斐のある彼→現実が見えてないいつまでもガキっぽい男、あんたなんか頼りにならない…といったように。

夫婦の倦怠を口喧嘩以外で見せるのが秀逸。
現在も夫が子供の心だけはナチュラルに掴んでるのが痛い。
あのテーブルのシリアル食い、子供に好かれそうだな。
それに力なく静かにイラついてる妻。
序盤でいかにこの夫婦がキツいか分からされる。
そして犬…。

元々こうなる要素は散りばめられていただろうし、こんな二人が出逢ってしまったのがそもそもと感じる。
それでもあの時の二人は間違いなく幸せでそれをしっかり突きつけられるエンドロールはきつい。
何度も観たいけど気軽に観れない映画。

徹底した演出と主演二人の見事過ぎる演技だけでなく脚本も「チャンスをくれ」など簡単な台詞で恐ろしい伏線回収をやってのけている。
コンディション次第では白目をむくぐらいのショックを受ける映画。

夫の暴走にブチギレる妻の顔の叩き方と夫の叩かれ方500億点。
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