尿道流れ者

ブルーバレンタインの尿道流れ者のレビュー・感想・評価

ブルーバレンタイン(2010年製作の映画)
4.0
凄く嫌いな類の話なのに、最後まで食い入るように観てしまった。男と女のありがちな価値観の違いで悲しい結末を迎えてしまう。男は必死に今ある残りわずかな幸せを保とうとするし、女は今よりも幸せな未来をつかもうと男から離れようとする。多分お互い今まで出来たためしもないのに。女は男に才能を生かし、向上心を持った生活を求めるが、男は家族がある幸せのために才能よりも今の生活を維持することに意味を持っている。そこが歪になる。ただ、この女は男が才能で食べようとしても、生活力が無い、現実を見ろと否定するんだろうけど。昔はかっこよかった男がダサくて体たらくな姿に変わってしまったのにウンザリして、昔の姿に夢を見る女の気持ちは分かるし、女の今の現実を受け入れることができない夢想家なところや、今を変えることが出来ない無力さ、もうとりかえしはつかないという物悲しさは人生において誰もが共感するポイントだとは思う。蹴り殺したいくらいの糞女だけど、そこだけは分かる。花火をバックに流れるエンディングは卑怯なくらい、涙を誘う。また観ることはないかもしれないが、凄く良い映画。

ライアンと子どもっていうのは凄く絵になる。映画の新しい鉄板の形かも。歌声も脱力感があって良かった。