二人の結婚生活の末期から、映画は始まる。
どこにでもある、男女のはじまりから終わりまでをみる様な話。
男女の間は、一瞬にしてダメになる時がくるが、めに見えない我慢や違和感は、女の中で長い時間をかけて蓄積されていく。二人は、環境が全く違う世界からきている。
はじめは、彼の愛情の深さが全てで、何もかも彼の愛があれば生きていくことができると思ったが、全く違うタイプのふたりには、長い年月の間に現実が見えてくる。
出会った頃の回想シーンが、後から度々登場する形で、出会いの馴れ初めと、二人の関係と、二人の愛の形、二人の抱えている問題を知る。
感情の描きかた、回想のさせかた全体に、監督のこだわりが感じられ、心を打つ。
いつのまにか、映画を見ている私も、二人の年月を過ごした様な気分になり、二人の関係が終わると、本当に悲しい気持ちになる。