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自転車泥棒のmikumiku1188のレビュー・感想・評価

自転車泥棒(1948年製作の映画)
5.0
ビットリオ・デ・シーカ監督の名作を是非どうぞ!!

不朽の名作と呼ばれるこの作品。日本の時代でいえば昭和23年度の作品です。まさにその時代の第二次世界大戦終結後の貧しいイタリアのローマに住む家族の物語。
その時代は世界中で貧しい庶民が苦しんでいた事でしょう。二年間も失業していた父親に役所の仕事がようやく訪れた。
仕事には自転車が必要だがその家庭は自転車を質屋に入れてしまっていた。だが他の家財を処分してその自転車を手元に戻す。そして父親は仕事に就くがすぐさま自転車を盗まれてしまう。
その為、父は息子を伴ってそれこそ血の滲むような苦労をして盗まれた自転車を探すが・・・・。

私の生まれる前の作品ですが、便利な時代になった物で65年も前の作品を楽しめるとは。どの国でも訪れていた終戦後の混乱。その中で貧しい中にも強い愛情で結ばれた父子に訪れた試練。
私はまるでサスペンスを見るような気分で見入りました。この親子に自転車は戻り幸せが訪れるのだろうか?・・・。しかしこれがイタリア映画の流れなのだろうか・・。
不朽の名作を見終わり家族の結びつきがこんなに美しいものなのかと考えさせられました。

そして父親の影のように連れ添って行動している子供の姿が何とも言えない。まるでピエロのように物語を引っ張る妙を感じました。是非ご覧ください。
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