自転車泥棒の作品情報・感想・評価

「自転車泥棒」に投稿された感想・評価

yumiko

yumikoの感想・評価

-

舞台は第二次世界対戦で敗戦したイタリア。
戦後の不況で 皆、貧困生活を送っており、働きたいのに仕事がなく、仕事を求めて毎日のように皆が職安に通い続け、仕事を与えられるのを待っている。
運良く選ばれた人だけが仕事を与えられる。
もう長い間、仕事をもらえない人達もいる。
そんな中で主人公は やっと名を呼ばれ、仕事を与えられる日が来た!
・・・でも、条件は 自転車を持っている事。彼は自転車が無かった。
でも 妻の協力を得て、生活に必要な物でも何でも売りに出し、やっとの事で自転車を購入する事ができた!
さぁお仕事!
と、はりきったのも束の間・・・
ちょっと目を離したすきに 見知らぬ男に自転車を盗まれてしまった・・・!
全てを投げ打って買った自転車なのに・・・ 自転車が無いと、仕事も出来なくなってしまうのに・・・!
あきらめるわけにはいかないので、何としても犯人を!と、探し回り、やっと見つけた・・・!
でも 結局、取り戻す事は出来ず・・・
しまいには、主人公が誰かの自転車を盗んでしまう・・・そして・・・・・!

やるせないストーリーですが、観て後悔したかと言われれば、そうとばかりは言えない、救いのシーンも あります!
ネオレアリズモの傑作ということで鑑賞。「こうなったら嫌だな」という状態にズルズル引き込まれていく主人公に同情を禁じ得ない。自転車を奪われ、仕事を奪われ、犯罪者扱いされ、息子からの尊厳まで奪われて一体これからどうして生きていけばいいのだろう。そういや私も一度自転車を盗まれたことがあるがここまで絶望することもなかったな。たかが自転車でここまで人狂わせてしまう戦後社会に対する風刺が効いている。シンプルながら力強い傑作。
ako4u

ako4uの感想・評価

4.4
仄暗さと仄明るさが同居したまま 淡々と進んでいくなー
と、淡々と観ていたら
最後数分間の追い上げ

目の前でそれが本当に起こったかのよう
胸が痛かった 本気で

軽い気持ちで観ていましたが
人間というもの、生きるということ
を、鮮やかに 形にしてみせた
まごうことない傑作でした

そして
持ち主の赦し
見てしまった息子と 見られてしまった父が、絶望に泣きながら、それでも手を繋いで 家路につける
あのラストシーンは
そんな人間という存在まるごとへの 赦し を描いているように、僕には感じられました
AiTakeda

AiTakedaの感想・評価

3.8
最後、父と子がまるで子と父のよう。あの背中にグッときてしまいました。
eiganoTOKO

eiganoTOKOの感想・評価

5.0

このレビューはネタバレを含みます

FINの前から号泣。
父ちゃんが自転車を盗むか…いや子どもの前では見せられない…でも食わせなきゃならない家族が…と迷っているとき「やめろー!」という気持ちと、戦後敗戦国イタリアのどうにもならない貧困のリアル、誰も父ちゃんを責められないよという気持ちが交差して涙ぼろぼろ。父ちゃんが盗んだ自転車を取り返した持ち主のおっさんが、不安げな子どもを見て「今回は見逃したるよ」。うう…この人間の尊厳を見失わない行為、自分が金持ちになっても絶対忘れたくない。プロレタリアート映画はリアルさが徹底されてるので、刺さりまくり…。

ストーリーは、生産手段のメタファーである盗まれた「自転車」を探すだけなのに、貧困層のなかにも階級差があったり、食事の格差は屈辱的だとか、労働組合や選挙にも深く関われないほど生きることだけに精一杯な主人公だとか、宗教もスピリチュアルも救ってはくれない、そして私有財産の自己責任という近代の社会システムがすでに崩壊している、という今みても全く古くならない普遍的なテーマになる大傑作。

自転車が見つからなくて喧嘩をしてしまうパパが、息子と仲直りしようと「ピザでも食うか!」と入った食事処は庶民の食べ物を出さないレストラン。でもパパは「チーズとワイン」を「たっぷり」頼む。
後ろに座る富裕層は、シャンパンやテーブルに乗り切らない肉や料理の数々…。
子どもながらに格差を叩きつけられる食事の瞬間。小学校や中学校の給食って大事だなあ…と思ったり。
「あれだけ食べたら月に何万リラもかかるな」とパパが言うと、息子がチーズを食べるのをやめるんだけど、辛すぎるわ!
自転車がいかに家計を支えてるかの計算は、パパは出来ない。でも息子には学習させているらしい。ここからみても、パパはもともと貧困層から抜け出せない階級出身らしいことがわかる。「知」は財産、がこの一瞬だけで詰め込まれてる。
この食事シーンはまだ父親としての尊厳があった。でも最後に自転車を盗み、捕まって見逃してもらったあとには父として、人間としての尊厳が失われてパパは群衆のなかで涙を流す…。息子は気を使いながら手を握りしめる…。
この親子を誰が責められるのか。
私が一番嫌いな言葉は「自己責任」だけど、この映画をみても社会システムの崩壊に気づかず、無頓着に生産手段を搾取する人々に、この親子、そして更に貧困層だった最初の自転車泥棒は殺されるのだ。

あと子役の演技ちょーナイス。だけど素人でびっくり!うーん、考え抜かれてリアルさの追求、ネオリアリズモ映画恐るべし。
初見は、1979年7月22日、新宿アートビレッジで鑑賞。(その後、何度も観ている。) 

自転車がまだ高価だった時代の話。 
ある父親が、ようやく苦労して買った自転車を盗まれる。探して探し回るが、見つからない。父親は、とうとう他人の自転車を盗んでしまうという魔がさした行動に出てしまうのだが、捕まってしまう。それを見ていた息子。そして、哀れな父親と息子の姿を描いて終わる。 

この作品、ビットリオ・デ・シーカ監督によるネオネアレズモの代表作の一本。
一台の自転車におっさんがここまで執着し絶望する当時の社会的文脈は現在の人間にはもうわからないのかも。ロケのロングショットが多いので当時のローマの街がよくわかって興味深い。子役も好き。やはり最後がやりきれない。。
さく

さくの感想・評価

4.0
ディストピアSFかと見紛うような貧困。
神は救いをもたらさず、結局人に救われる。
カンツォーネは食べるシーンが最高。
やはり良い映画には良い食事シーンがありますね。
預言者はインチキ臭いけれど、
自転車(≒大事な物)はすぐ見つかりましたね。
たえこ

たえこの感想・評価

3.6
あまりクラシック映画は観ないのだけど、これは良かった。
自転車があるのと無いのとは偉い違いだったのね。
私も自転車大切にしよう。
ラストシーンが音楽によってさらに暗い演出になってて見ててすごく辛さを感じた。家財を質にいれてようやく得られた仕事と自転車を失う心境…恵まれている自分にはどれほどのものか想像もできない。
>|