いかえもん

ラヴソングのいかえもんのレビュー・感想・評価

ラヴソング(1996年製作の映画)
4.2
何を観ようかな~?とリストをカチカチくってますと、この映画が。
U-NEXTにご入会中の香港映画好きの皆様、この映画は今月末で配信終了だそうです。ということで、私もあわてて観ました。
めっちゃよかったよー!😭

天津から香港へ出てきた素朴でぼんやりした感じのレオン・ライ。いつかは故郷に残してきた恋人を呼んで結婚することを夢見ている。そんな彼が、広東語も英語もままならない中、広州から出てきてバリバリ仕事を掛け持ちしてお金を稼いでいるマギー・チャンと出会う。二人はやがて恋に落ち…なんだけど、なんだけどね、ここから10年に渡る二人の人生が描かれるんですよ。まあそれが切ない!
あんなに貯金してたマギー・チャンが、いかがわし気なマッサージ店で働かなくちゃならなくなってしまったり、彼は逆に順調に人生を歩み始めたりとかね。
で、そんな二人をつなぐ曲がテレサ・テン。昭和の人間には、日本人でも割となじみがある歌手で、愛をつぐな~えば~、別れ~になる~けど~♪とか時の流れに身をまかせ~♪とか意味もあんまり分からず歌ってました。当時、北京というか、中国大陸でも人気だったそうで、それが大陸から香港に渡った二人をつなぐキーとなります。

レオン・ライはトニー・レオンの色気を10倍希釈した感じの爽やか青年で、感じはいいけど、優柔不断で、わかってない。天津の彼女とマギーチャンに同じブレスレット贈るとか、お前~!!!っていう男です。が、憎み切れない10倍希釈の色気なんだな~。
マギーチャンは相変わらずかわいくて、泣きそうになりながら笑うところとかほんとかわいかった。

そして、マギーチャンが働くマッサージ店で出会う暴力団の親分。最初、背中の彫り物で、あ、ヤバい人だわ。だけど、このむっちり肉付きのいい小柄な背中はもしや…やっぱりエリック・ツァン!だよねー!そして、彼女を笑わせるために入れた新しい彫り物がいい!ワルなんだけど惚れた女にはとことん優しいいい男なのよね。インファナル・アフェアもそうだけど、こういう役、上手いのよなぁ。

途中ちょっとそれはないんちゃう?という展開もあるにはあるし、優柔不断なレオンライが受け入れられない人はその時点でアウトだろうと思うのだけど、あ、これ、こうなるって最初から決まってたんだね…って思わせるラストシーンがよかった。

他で印象的だったシーンは、何と言っても、二人が最初に思いを通わせる、コートを着るシーン!!!これが超ドキドキで素敵なシーンでした。