ブラックユーモアホフマン

アメリカの影のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

アメリカの影(1959年製作の映画)
3.7
この頃から既に神経逆撫で演出は顕在。本っ当にイライラする。

カサヴェテス、面白いとは思うけど苦手かもなー。すっごいイライラしちゃう。ギャスパー・ノエの方が冷静に観られる。

カサヴェテスは観ながら貧乏ゆすりが止まらなくなって、たまに舌打ちとかしちゃう。他に観客がいなかったら怒鳴ってると思う。

出てくる男どもが女を飾りか何かだと思っていて、人として扱わないのが本当に苛立たしい。女は何でも自分の思い通りになると思っていて、そうならないとすぐに興奮して大声でキレ散らかして、相手の話に全く聞く耳を持たず気持ちを理解しようという意思が微塵もない。モラルとデリカシーとリテラシーが欠如した幼稚な生き物。
かと言って家族や他の女性が味方かと言えばそうでもないのがまた絶望的。ただ一人にして欲しいのに余計なお節介を押し付けてきてこれまた話を聞かない。嫌だって言ってるのに辞めない。それが相手の為になると思い込んでいる偽善者だらけ。
極め付けは女もまたその状況に否が応でも抗ってやるという意志は持っておらず、結局周りの理不尽に納得してないはずなのに許して迎合してしまうところ。

カタルシスを絶対に用意しない。いっそ誰か殺されちゃったりすればまだフィクションとしてのカタルシスになり得るのにそういう逃げ口も用意してくれない。とにかく最後までモヤモヤさせたまま終わる。
カサヴェテスはこれを意図的にやってるんだよね?よく知らないけど。

【一番好きなシーン】
楽屋でジョークの練習をするシーン。