佐藤克巳

子供の四季 春夏(はるなつ)の巻の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

4.5
第1部、第2部ともラストがGHQ検閲でバッサリ切られて何のこちゃ状態に置かれた。前作「風の中の子供」と内容はほぼ同じだが、祖父坂本武の同族会社内の主導権争いが全面に出て子供の遊びにも影響が現れた。三平横山準が不登校になり川辺りで弁当を食べていると、鮒が顔を出しご飯を投げ入れると、鮒が群れを成した。その後、三平の掛け声にも反応する様は、正に子供の離合集散を思わずにはいられなかった。また善太葉山正雄の中学進学問題にも大人の事情が作用し、全体的に深刻なストーリーが展開し、清水宏監督独特の子供の自由なスケッチ風描写が霞んだ印象だった。世は、第二次世界大戦が勃発、日本は不介入も国民徴用令が公布された。
佐藤克巳

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