leyla

デッドマンのleylaのレビュー・感想・評価

デッドマン(1995年製作の映画)
4.6
7月4日はロビー・ミューラーの命日。
ちゃんとレビューを書いていなかったので映像が印象に残る今作を3度目の鑑賞。

詩人ウィリアム・ブレイクとネイティブ・アメリカンを共存させた作品。その発想だけでもジャームッシュのセンスが光る。ブレイクの詩や詩にまつわる名前が散りばめられた一風変わった西部劇。

どこを切り取っても絵になるロビー・ミューラーの映像と哀愁のあるニール・ヤングのギター。

オープニング。列車の車輪で時間経過を表していく映像に心掴まれる。約6分ほど台詞も説明もない。そこから「死」がまとわりついていく雰囲気が最高!

クリーブランド出身のヤワで真面目な会計士ウィリアム・ブレイクが、仕事に就くために西部のマシーンという街を目指す。(大柄チェックのスーツがダサくていい)

しかしアクシデントに見舞われ、しまいには指名手配犯に。ノーボディという先住民に助けられ、そこから“魂の故郷”へと帰って行くラストまで。まるで幻覚のように時間が進んでいく。

冴えない会計士から、だんだんピュアで鋭くなっていくジョニデの眼光。今じゃお騒がせ俳優だけど、やっぱり魅力があるんだよな〜。

子鹿の死体に寄り添うシーン、骸骨の顔、天使の後光が差す死体、白樺の林、カヌーでの船出…。好きなカットがいっぱいで、何とも幸せな映像体験。

ロバート・ミッチャムやイギー・ポップ、ビリー・ボブ・ソーントンなどがチョイ役ってのも豪華。

物質的な現代社会から離れ、主人公の魂が救済されていく詩的なロードムービーは、何度観てもシビれてしまう。大好きな作品です。1番は『ダウン・バイ・ロー』。こちらも撮影はロビー・ミューラー。


✴︎キリ番6666ゲット
leyla

leyla