Train

ONE PIECE FILM Z ワンピース フィルム ゼットのTrainのレビュー・感想・評価

4.5
【ゼットにみる、男の美学】
新作が気になるので見てなかった前作『STAMPEDE』を履修したけど、やっぱりワンピ映画で一番出来の良いのは今作だな、と。シリーズで唯一持ってる円盤引っ張り出して久し振り見たら昔見た時よりも感動して泣いた。(円盤に傷がついてるのか、途中映像が乱れた箇所があってその分ショックだったけど)

何が良いのかと言うとやはり悪役ゼットだろう。筋肉モリモリのボディにサングラスというカッコ良すぎる風貌も評価の一つだが、一番はキャラクター造形である。少年漫画の悪役にしては全くしょっぱくない悪役。海賊を滅亡させる、という巨悪的目的ながらその動機もすんなり納得できるくらい彼のバックボーンは割と丁寧に描かれている。他作品で例えるなら彼はサノスに近い。『インフィニティ・ウォー』の主役がアベンジャーズではなくサノスであったように、この映画の主役はルフィではなく、ゼットなのだ。

ワンピースに対してあまり造詣の深くない自分が何故この作品だけはこんなにも胸が熱くなるのか。それは、男達の信念のぶつかり合いの物語だから。素晴らしいのが、その「信念のぶつかり合い」を際立たせる最終決戦。いつものように必殺技を繰り出すのではなく、なんと拳で殴り合う。それも能力なしで。(武装色の覇気は使うけど)熱い。熱すぎる。そして、ぶつかり合いの先、すべてが終わるラスト。ゼットは自身の信念に一本筋を通す。あれ、もう泣くしかないっすね。ジャンプの映画でロッキー的ドラマ(精一杯の言語化)が見れるとか誰が予想できたか。

今展開がどうなってるのかはよく知らないが、今作が公開された時が丁度ワンピースにハマった頃だった。(最初から読もうという気はなかったけど)ワンピース好きの人間に「好きなキャラは?」と聞かれたので、ゼットと答えたら「は?アイツのどこがいいの?能力者じゃないじゃん」とかいうガキンチョ並の煽りを喰らったが、今振り返っても俺の回答は間違ってなかってなかったと思う。だって、カッコいいじゃねえか。

アヴリル・ラヴィーンのHow You Remind Meのカバー曲、原曲より良い。そういえばアヴリル・ラヴィーンもめっちゃ聞いたなぁ…
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