あしからず

好色一代男のあしからずのレビュー・感想・評価

好色一代男(1961年製作の映画)
3.8
‪“『好色』は時代や使う人物によって意味が変わるそうだが、この作品の『好』とはいわゆるスケベエではなく数寄者の数寄であり、通という意味です。また『色』もエロチックではなくモダンという事になるそうです”
と雷蔵さまの著作にあるように、 たしかに本作の雷蔵さまは単なるスケベエではない。
信念の入ったスケベエである。
情緒ある京言葉で片っ端から女を口説きまくるけど、くだらないナンパ師とは違い1回1回が本気なのである。

不憫な女コレクションでもある本作、女にとって辛い時代だったかもしれないが雷蔵と出会った者たちは皆幸せな最後を迎える。しかし思い返せば玉緒ちゃんの腕毛のたくましさ。大トリのあややは一瞬だが小判との天秤が見もの。

3333人の女の髪でできた帆綱と女の腰巻で出来た吹き流しの”好色丸“でユートピアへ出航する雷蔵さまのなんとも言えない清々しさ。
きっと人魚まで口説いて色の道に真っしぐら。
何事も極めればそれ才能なり。
あしからず

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