タクマ

火垂るの墓のタクマのレビュー・感想・評価

火垂るの墓(1988年製作の映画)
4.5
見たで。
何度かフィルマで本音のレビューを書こうとしたけどなかなか書けなかった作品。正直世間で言われる程自分にはこの映画が合わなかったっていう部分はあるけどなにより本作を完璧な反戦映画として語るには清太以外の周りの人達の目線が足りないと感じたからだ。あんな風に清太か叔母さんのどちらが悪いかっていう表面的な部分に感情を持っていかれる展開じゃなくああいう悲しいラストになったのは戦争のせいなんだって感じる事ができる周りの視点が不足してると思ったんですよね。
本作の事を調べていたらそもそも高畠監督はこの作品を反戦映画じゃなく当時の全体主義から道を外れた兄妹の話しとして作ったと言われていた。これって今の時代で言えば色んな背景から社会と距離を取って生きる人達がいた時に自分達はどれくらいその人達に寄り添えるかっていうメッセージも感じて何が良い悪いとか言う議論じゃなくどうすれば良かったかをどうして行くべきかを考える作品なのかなと思う。
SNSで度々上がる炎上と論争を見るたび時代は変わっても人の心理の極端さって変わらないなあと思う一方でそういう人の心の残酷さを描いた作品として傑作なのかなあって思った。
自分は2度は見れないけどね。

4.5って評点は自分の中では限りなく100点に近い点数やけどこれはめちゃくちゃ複雑な高点で本作に限ってはいつも通り自分の中の満足度だけで星をつける事を躊躇してしまう。
タクマ

タクマ