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アジャストメントのKEiGOのレビュー・感想・評価

アジャストメント(2011年製作の映画)
3.8
(再鑑賞)

こう見えて爽やかなデート映画。

エミリー・ブラントがちゃんと可愛いの本当に女優さんだなぁと思う…!!!『オール・ユー・ニード・イズ・キル』のような格好良さ、『ボーダーライン』のようなリアリズムが全くない。役によって表情や所作を整え、洗練させるその演技力に乾杯です。好き。

本作で最も興味深いのは議長ですよね。明らかにYahwehなのですが、その存在は謎に包まれています。
そもそもキリスト教において唯一神は偶像崇拝の禁止からvisualizeされません。なので『アジャストメント』の描写は至極真っ当であることは、日本人の皆さんにも知って頂きたいですね!

これについて監督のジョージ・ノルフィはインタビューで次のように答えています[1]。

The original conception in the script was that you would meet the Chairman, and that the Chairman would be a woman. It would be in female form. So I went down the path of an all male Adjustment Bureau, because I wanted it to be a surprise in the end. But I came to feel as I was shooting the movie and after I shot that scene, that is was a mistake to go that way a bit. I needed to leave it open to people with various beliefs about what a Chairman would be, so they could put their own beliefs into it. I was very conscious of making an Adjustment Bureau that was conscious of all of the nationalities and cultures of the world.

(以下、さくっと意訳

当初の脚本のコンセプトでは、観客は議長をスクリーンで観ることができました。議長は女性の姿をしている予定でした。このラストのサプライズのために、アジャストメントは全て男性にしていました。しかし撮影を重ね、このシーンを撮り終えた後に、このアイデアは少しだけ間違っていると感じるようになりました。議長とは何者か。様々な信仰を持つ人々が、自分自身の信仰を込められるようにしておく必要がありました。私が意識したのは、世界中のあらゆる国籍や文化を意識したアジャストメントを作ることでした。)


非常にdiversityに富んだ配慮がなされた演出です!運命さえも超える本作のコンセプトらしい決断ですね。


宗教に壁を作る必要はないんだぜ。




参考
[1]GIZMODO, Meredith Woerner, Who's the secret Chairman of the Adjustment Bureau?

https://io9.gizmodo.com/whos-the-secret-chairman-of-the-adjustment-bureau-5778984
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