輪廻転生をロマンティックに描くのって
仏教的にありなんだろうか?
次もまた会えるね!というポジティブなストーリーって、ブッダの解脱と真っ向から逆をいってるような。
でも、凡人はそれくらいで良い、ということなんだろうか。輪廻転生は輪廻転生なりの良さがある。だからせめて五戒は守りましょうね、ということなのか。
でもそれって、「度合い」みたいな話になってきて、カントの、カテゴリーにおける性質の【制限】という項目設置への批判」と同じ構図になりそう。「いや、そこ曖昧にしたらあきませんやん」という。
大衆受けを図って、浄土真宗的なものが生まれてくるのが世の宗教世界の常ではあるが、それだと新たなる煩悩を生み出すだけじゃなかろうか。つまり、「来世は極上にいきたい!」というのも、立派な煩悩だろう。
もちろんその構図を理解した上で、凡人による凡人のためのエンタメ作品としては良作なんだろうが、その構図ゆえキアヌ演じるイケメンブッダの存在が、そのビジュアルも相まって、なんか軽い置物のように感じてしまう感も拭えない。