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夜叉のノのレビュー・感想・評価

夜叉(1985年製作の映画)
2.8
一に田中裕子、二に田中裕子って映画には違いない。彼女のあざとくも妖しい色香が港の男たちを惑わせ、あの「健さん」を不倫セックスへと走らせてしまう。けっ、健さ~んっ!!!

ま、狙って作ってますよね。演出も撮影も「どうだ、これが大人の映画よ」と言わんばかりにカッコつけてる。、、んだけど、何だか妙に、カッコいいを通り越してこっ恥ずかしいモノになってね?という感じが否めない映画であり、その青さが面白くもあり、つまらなくもある。

冒頭で、健さんがヤクザを斬りまくって血を浴び、鬼神ぶりを見せつけたあと、カットが割れ、白タキシードでウイスキーを飲んでる姿が映るのだけど、「えっ(寒っ)」と思いながらも、笑いを誘われる要素も無くはないなと。

防波堤の向こう側でうねる荒波を厚く切り取った望遠ショットにしても、背中の刺青の見せ方・タイミングにしても、終盤のつわりにしても、何か一言、言いたくなる類の映画である。

ラストもまたキメてくる。少年のマヌケなまでに清々しい手紙朗読のあと、健さんがサングラスをかけると洋楽主題歌のイントロが入ってくる。えっ、洋楽(笑)。雪の港町に全くそぐわないあの感じ、、ね。
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