ヘソの曲り角

リオ・ロボのヘソの曲り角のレビュー・感想・評価

リオ・ロボ(1970年製作の映画)
4.0
見事なまでに「リオ・ブラボー」の亜種。かつてリオ・ブラボーを見てなんだこの弛緩した西部劇はと腹を立てていた私だが、今回それとだいたい同じような本作を見たらこれくらい結果が分かりきってるなかで緊張したり微笑ましかったりするのんびりしたのも全く悪くないむしろその良さもある、と楽しむことができた。のほほんとした朗らかなシーンが多い反面、アクションで豪快さと緊迫感をうまく使い分けていて全体通して痛快な娯楽作品に仕上がっている。

2時間でここまでちゃんとひと続きの長い物語を描ききれるのはさすがとしか言いようがない。最後まで見たら冒頭の圧巻の列車強盗シーンがはるか昔のことのように思えた。それくらいの長いスパンの時間の流れをさりげなく描いている。クライマックスの展開なんか明らかにアンチ「真昼の決闘」の至高で、上映時間の相対的短さも含めリオ・ブラボーからさらに磨きがかかっていると思った。やっぱ列車と馬と酒の撮り方が抜群で、女性が強くて、男が可愛い。そして正義は勝つ。私刑も当然OK。ラストがいいよ。ハワード・ホークスの遺作にふさわしい作品だと思う。

後半から仲間に加わるジャック・イーラムがめちゃくちゃいい。リオ・ブラボーでの年寄りポジション。あと音楽がめちゃくちゃいい。と思って調べたらジェリー・ゴールドスミス、そりゃいいわけだ。