これまでの北野映画をアメリカ風にローカライズしたような作品。
ヤクザがロスの裏社会でのし上がるという普通に考えたら結構荒唐無稽な作品ではあるものの、それをアート風に仕上げてしまう武の手腕は流石。
とはいえこれまでの作品からしたら、本作はエンタメ度はかなり高いす。
冷静に見ると、大杉漣のハラキリシーンや、寺島進の命張るシーン、指詰めなどかなり突拍子無さすぎて、アメリカ人向けにサービスしてるなという歪な場面はありつつも、全体的な印象はしっかり北野映画って感じでした。
アメリカン・ニューシネマ風のラストとかもこれまでのドライな作風からしたら、かなりウェットなものになっていて特殊な位置づけの作品なのかなとも思ったり。
あとヨージ・ヤマモトの衣装なども含めて画面のカッコよさはフィルモグラフィーの中でも一番かも。