三樹夫

ベティ・サイズモアの三樹夫のレビュー・感想・評価

ベティ・サイズモア(2000年製作の映画)
4.2
夫が殺される現場を目撃してしまった田舎のウェイトレス(彼女が誕生日にやった事といえば駄目亭主に飯作ったのと録画してもらった昼メロを観たことぐらい。泣ける)が、あわや精神崩壊というところで自分の大好きな昼メロの世界に入り込み、それによって均衡を保つ。まあかなり歪な均衡だけど。現実とフィクションの区別は完全になくなり、自分の愛するドラマ「愛すべ」の主人公ディビッドのもとへとカンザスからロサンジェルスへ。ディビッドは私のフィアンセ、彼が私を待っている。彼女が好きなのはそれを演じている俳優ではなくあくまでそのキャラ。そこんとこ混同してもらっちゃ困るわけ。
そしてベティを二人の殺し屋が追うわけだか、チャーリー(モーガン・フリーマン)は追跡対象のベティを写真で見てベタ惚れ。しかもこじらせたアイドルオタクみたいな好意の持ち方。ベティはトイレになんか行かない、ベティは昼メロみたいな低俗なものを好きになったりはしないと神格化しだす始末。ベティを侮辱する者は殺す勢い。キモい。挙句に妄想でベティを具現化しダンスまで踊る始末。上級者か。

ベティとチャーリー二人を見てて、身に覚えがあるというか身につまされるというか。チャーリーに関して言えば好きな女の子を神格化するのは悪い癖と常々思ってるんだけどね。トイレになんか行かないとは思ったことないけど。
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