レインウォッチャー

素顔のままでのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

素顔のままで(1996年製作の映画)
2.5
■RWと48の地獄㉓
奪われた体の一部を取り戻すため、RWは大晦日までに48の魔物を倒さねばならない!奴等は地獄映画の中に潜んでいる…

□戦績
「安心してください、はいてますよ」このギャグが海を越えて遥か英国を沸かせた2023年、わたしの脳裏に浮かんできたのはこの映画のジャケだった。内容隠してジャケは隠さず、このデミ・ムーアと目があったことはあっても実際に観た人は少ないんじゃあないだろうか。

まあどちらかといえば「安心してください、脱いでますよ」なわけだけれど、明らかな入れ乳なのでありがたみは薄い(※1)。これでいっそカラリとおばかな映画にしてくれたらよかったところ、雑に親子愛とかサスペンスを入れたりするので半端になった印象がある。

何よりいただけないのは、主人公がストリップを結局「辞めたいもの」「恥ずかしいもの」と思ったままのように見えてしまっている点だ。(※2)
そもそも、映画開幕ではFBI秘書だった彼女が、ページをめくったらストリッパーになっている。Oh、サプライズ!金のためだとしても、なぜ彼女がそれを選んだのか、そしてなぜここまで人気嬢になれたのかは一切語られないため厚みがなく、ただ裸を出したかっただけに見えてしまう。

中盤、ショーを袖から目撃した娘との会話で、娘がめちゃくちゃ良いパスを出している(「ママきれいだったよ」)のだ。にも関わらず、当のおかんはボールをメルカリに売ってしまう如き勿体なさ。
このへん、同じすけべラジー賞メイトである『ショーガール』とは雲泥の差がある。そこにプライドと愛はあるんか。わたしたちは何よりもそれに心を動かされるのだから。

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※1:デミ・ムーア自身も当時「変身魔法」を使ったことを認めていて、後日除去したとのこと。
※2:いちおう自宅でもお気に入りの曲(アニー・レノックス)で踊ったり、嫌いじゃないんだなあ程度はわかるのだが。

□倒しかた
「良いニュースと悪いニュース、どっちから聞きたい?」という、今や都市伝説かと思われたハリウッド構文を実際に聞くことができる。

また、90年代アメリカ映画の画面にある独特の温かみは嫌いじゃあないぜ。新世紀以降のパキッとクリアになった画面にはない、まだ居丈高マックスだったアメリカらしいアットホームなお気楽さが滲んでるよね。


□分類
ラジー・すけべ地獄(弱)


□取り戻したパーツ
ヒアルロン酸


□次回予告
邪魔耐酷!「●弥●」!